48話 ページ7
ウィリアムが国に帰った次の日、グルッペンがメーレン王国を尋ねた。サナも知らない間に…
その日は丁度、城下町に住んでいる街の人達に我々国の領土となることを話す日でもあった。
街の人達を城の門前に集め、サナは街全体を見下ろすことの出来る、場所で伝えていた。
「今日からこの国は、我々国の領土となる」
その瞬間、集まった人達はざわつき始めた。
「納得出来ない人、納得する人もいると思う。
私は決して、我々国の総統閣下に脅されたり、不平等な条件を持ちかけられたりはしていない。私は私自身で、この国を我々国の領土にしたいと思っている。
私がこの国を追放された後、我々国の幹部になった。
私は幹部を辞める気は無いし、この国の王座に就こうとも思わない。
我々国の総統、幹部、町の人達は皆、良い人達だから。
忠誠を誓ったのは、総統であるグルッペン様だけだから、私は我々国の領土にしたい。
異論がある人はいませんか」
誰も手を挙げなかった。それは皆、異論無しということだろう。皆、口々に言葉を発したのは、"この生活を抜け出せるのなら"という声がほとんどだった。
その声に安心しきっている時だった。
後ろから、低いボイスで話している男がいたのだ。
「グルさん！？な、えっ！？」
gr「そこまで驚くことはないだろう」
「トンちには……？」
gr「言ってない」
「1人で来たの？」
g「そうだゾ！」
「なんで、総統が護衛もなしに来るの！？何かあったらどうするの！？」
gr「だんだんトン氏に似てきたな」
「こっちは心配してんの！？」
gr「それで、サナが決めた結果がこれか………」
グルッペンはそう言いながらも、民衆達を見た。
近くにあった手すりを、グルッペンは掴み、大声で言う。
gr「私は我々国の総統グルッペンだ。戦争は好きだが、民衆達の安全、国の安全も考えている。私には優秀な幹部達がいるからな」
その言葉を聴いた街の人達は、歓声をあげていた。
その後、サナとグルッペンは我々国に1度帰った。
だが、トントンが顔を真っ赤にして怒っていたのは別のお話。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 75人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：harurua | 作成日時：2023年5月16日 12時
