【薄桜鬼】新選組一番組組長の恋人は憂鬱

２４日目 ページ26

*



昔を懐かしむように青空を仰ぐ
｢あの頃は想像つかなかったなぁ...｣と呟いた



｢なんの想像？｣
｢総司と付き合うっていう想像｣






総司の方を見てふふんと鼻を鳴らした
｢そんなの僕も同じだよ｣なんて笑ってみせる総司は続けた







｢Aちゃんなんて僕の好みじゃなかったからね｣
｢え、それ失礼｣





今の恋人に向かってなんという言い草だ
怒ったように顔をそっぽに向けると







｢まさかこんなに好きになるなんて思ってなかったなぁ｣
｢っ！｣







意地悪そうに私の顔をのぞき込む
｢私も好き...｣とぼそっと呟くと｢なんか言った？｣と楽しそうに笑った



｢私も好きだってば!!!｣





私はそう叫んだ
それを面白がるように見ると
ぐいっと頬を引っ張られた






｢あはは、不細工｣
｢刺す!!!!!｣


｢冗談だって｣






なん笑いながら謝る総司に｢ったく...｣と許してしまう私は随分彼に甘いようで、それでも精一杯に睨んでやる






｢そんな顔しないで、もっと不細工になっちゃうよ｣
｢女の子にそんなこと言うなんて最低!!!!絶対女の子に好かれないから!!!!!｣







｢ばかあああ!!!!!｣と叫んでやると




｢Aちゃん以外には好かれなくていいから別に平気だよ｣
｢ば、ばかぁ...｣







どうやら彼には叶わないみたいでした






*

２５日目→←２３日目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す