【薄桜鬼】新選組一番組組長の恋人は憂鬱

１５日目 ページ17

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ぐいっと強い力で引っ張られ

思わず悲痛の声をだしてしまった



それに男は調子付き、




｢女は女らしく大人しくしてりゃいいんだよ｣






と


私の手を引いてどこかに連れていこうとする




ブチっ




私の中のなにかが切れる音がした


｢...あんま調子に乗らないでくれる｣

｢あぁ？なんか言ったか？｣

｢調子に…のるなぁあ！！｣





私は護身用の短刀を取り出して

その柄を私をつかむ男の手に思いっきり振り下ろした



ガツッ

｢いっ…てめぇ！！！｣

男は私を睨みながら刀を鞘から取り出した





こいつ１人くらいなら私ひとりでも余裕

伊達に試衛館時代
総司と対等にやりあってたわけじゃないんだから







そう思った私は完全に油断していた


男が刀を振り下ろす先は私ではなく

さっきのお婆さんだった




咄嗟に体制を変えて刀で受け止めるも

無理な体勢のせいで手首を捻ってしまう



｢……っ！｣


一気に力が抜けて刀が地面に落ちていく




男はそれを見て不敵に笑い

体制を整えておばあさんに再度刀を振りかざす





もうなすすべのなくなった私は

お婆さんに覆いかぶさった



(斬られる…！)

覚悟を決めて目を瞑った



が、背中に来るはずの痛みがまだ来ない




恐る恐る目を開け、男のいる方を向くと






｢総司......｣



男はだらしなく倒れ

その後に刀を抜いて、呆れたように笑う総司がいた



総司の顔が見えた瞬間

安心しきっている自分がいて

なんだか笑えた







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