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黒子くんの側にピタッとくっついていると、人の流れに任されて気付けば列の先頭に付いていた。
「これが幻のコロッケパン……！」
「まだ結構ありますね。Aさんも食べますか？」
「え？ う、うん」
そういうと黒子くんはコロッケパンを２つ取って、お金を置いた。
購買のパートさんは気付いていない様子だけど、一応買ったことにはなるよね。
限定品には疎い私でも、ずっしりと重みのある豪華なパンを見て食欲が刺激されてしまう。
「あの人混みの中本当に買えるなんて…！ 」
「それじゃあ、戻りますか」
黒子くんが踵を返した拍子に、髪が引っ張られた。
「痛っ」
さっき密着していたせいか、私の髪の毛が黒子くんの制服のボタンに絡まってしまっていた。
「大丈夫ですか？ すみません、引っ張っちゃって」
「ううん、こちらこそ。私が揶揄っちゃったから……」
「気にしないでください。……それに正直、嬉しかったですし」
また黒子くんに抱きついて、人混みからようやく抜ける。
きょろきょろと辺りを黒子くんが見回すが、青峰くんはどこかへ行ってしまったようだった。
一緒に探してくれるって言ったのに薄情な。と、思いながらも、とりあえず人気のない中庭へと私達は移動した。
*
「髪、触りますね」
ベンチに腰掛けた黒子くんの間に座り、黒子くんは壊れ物を扱うように優しく私の髪に触れた。
後ろでやられてるから、感覚でしか分からないけどくすぐったい。
「うーん、結構絡まってますね……」
「取れなそう？」
「もうちょっと頑張ってみます。Aさんはパン食べてていいですよ」
「え、私のせいなのになんか申し訳ないよ」
「じゃあ代わりに美味しそうな食レポしてください」
「それ代わりになる！？」
黒子くんは一見真面目そうに見えて意外と変わってる。
思わず吹き出して、なんだか和んでしまった。
結局、私はお言葉に甘えてコロッケパンを袋から取り出した。
「まだあったかい！ 出来立てだよ！」
「噂によると、銀座に本店を出している有名なパン職人さんから仕入れてるそうです」
「詳しいね！？ 帝光中って色んなところにコネがあるんだなぁ」
「まぁ、盗み聞きというか、勝手に聞いてしまったというか……」
黒子くんの影の薄さには驚かされっぱなしだが、結構羨ましい部分もあるなぁ、と期待値の上がったパンをそのまま頬張った。
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えの(プロフ) - hamoさん» こちらこそリクエストありがとうございました。感想まで頂けると思わなかったので、嬉しいです涙。更新頻度は遅くなりますが、細々と書いていこうと思うのでお付き合い頂けると幸いです☺︎ (3月6日 0時) (
レス) id: d13c000863 (このIDを非表示/違反報告)
hamo(プロフ) - リク書いていただいてありがとうございました……！本当に全てにおいて最高でした！！青峰くんのいいところがたくさん出ててますます青峰くんのことが好きになりました！！続け方も天才です！！次も楽しみにしてます！！！がんばってください！！！ (1月9日 9時) (レス) @page42 id: c94f084532 (このIDを非表示/違反報告)
えの(プロフ) - ななさん» ななさんコメントありがとうございます！私もそんな黄瀬くんを書くのが好きなのでご期待に添えるように頑張ります。セリフも甘々で素敵ですね！引き続きよろしくお願いします☺︎ (1月8日 2時) (レス) id: d13c000863 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初コメ失礼します！黄瀬涼太でヤキモチやいて甘えてくるシチュがみたいです、、俺が誰より〇〇のこと好きなのに的なこと言ってたらすごい嬉しいです… (1月4日 23時) (レス) @page37 id: b78e46be6f (このIDを非表示/違反報告)
えの(プロフ) - hamoさん» 早速のリクエストありがとうございます！2人きりで部室はロマンチックですね。素敵な青峰くんになるように善処致します。引き続きよろしくお願いします☺︎ (12月21日 0時) (レス) id: d13c000863 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えの | 作成日時：2022年10月17日 1時
