ネコ科の同居人 その2【文豪ストレイドッグス】

猫じゃらし ページ4

賢治side



「にゃ・・・」





Aさんがソファーの上にぐでっと倒れる。





猫じゃらしを追いすぎたのか、疲れたらしい。





それでも、少しでも猫じゃらしを動かすとその目ははっきりと猫じゃらしを捉えていた。





「猫じゃらしって楽しいですね！でも疲れちゃいました？」





「にゃー・・・」





Aさんが目を閉じる。眠いのかな。





「眠いんですか？おやすみなさい。」





声をかけて頭をそっと撫でるとAさんは眠りについた。





猫じゃらしを引き出しに仕舞おうと思ったが、ふと思い立って敦さんのところまで行ってみる。





「敦さん」





「賢治君？どうしたの？」





敦さんはいつも通り優しく笑って答えてくれた。Aさんが来てから、よく笑うようになった気がする。





「これ、敦さんにあげます！どうぞ」





そう言って猫じゃらしを差し出す。





「え？僕に？いいの？」





戸惑ったように猫じゃらしと僕の顔を見ながら聞いてくる敦さんに、にこっと笑いながら、





「いいんです。Aさんも楽しそうでしたし、お家でいっぱい遊んであげてください！」





と言った。





敦さんは確かめるように一瞬僕の顔を見てから、





「ありがとう。」





と言って猫じゃらしを受け取った。





その後少しだけ会話をして、Aさんの眠っているソファーに戻る。





Aさんはすやすやと気持ちよさそうに眠っていた。





可愛いな、と思いながらその様子をずっと眺めていた。

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