ネコ科の同居人 その2【文豪ストレイドッグス】

希望 ページ30

潤一郎side



ナオミを捜しつつ、どこにあるかもわからない公園に向かう。セーラー服を着た少女が見える度に立ち止まって振り返るが、ナオミらしき人は誰もいなかった。





「うーん、ナオミいないね。公園もわかんないし・・・」





「・・・にゃあ」





Aちゃんもなんとなく不安そうだ。大丈夫かな・・・。





と、その時。プルルルル・・・と、携帯電話が鳴った。





画面を確認すると、『ナオミ』の三文字が書かれているのが見えた。 どきどきしながら電話を耳まで運ぶ。





「・・・もしもし、ナオミ？」





『兄様！？よかった、繋がりましたわ！今どこにいますの！？』





「今Aちゃんと一緒なんだけどね・・・えーと、なんだろうここ・・・あ、中華料理屋さんと喫茶店があるよ」





『まあ、Aちゃんも？中華料理・・・あ！でしたら近くにいますわ！今から向かいますわね！！』





「本当？じゃあ待ってるよ」





ほっとしながら電話を切る。Aちゃんを見ると、いつもよりもきらきらした目で僕を見上げていた。





「ナオミが来るみたい。よかったね、本当に」





「にゃー」





Aちゃんは嬉しそうに鳴くとぴょんと僕の腕を飛び出した。そして、その場でひょこひょこ歩いたり戻ったりを繰り返し始めた。





「落ち着かないの？もうすぐだから待っててね」





にっこりと微笑んだ。

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