惜しい距離 ページ27
敦side
「はあ・・・はあ・・・Aー!?」
叫びながら公園に飛び込む。日が沈みかけている。このままでは夜になってしまう。
「・・・ここにはいないみたいだね。敦君、どこに行く?」
公園を見て回っていた太宰さんに声をかけられる。確か、ここからならいろんなところに行ける、と乱歩さんが言っていたはずだ。
「二手に分かれましょう!僕はあっちの方に行ってきます!」
「じゃあ私は百貨店の方に行くよ。何かあったら連絡してね」
そうして、僕達はそれぞれ別の方向へと走り出した。
.
僕が通った道は、やけに廃墟が多かった。廃ビルや廃工場、雑草に囲まれた屋敷・・・一応全部見て回ったが、さすがに人も猫も何もいなかった。
「はあ・・・どこにいるの・・・?」
ずっと走っていたからか、疲れてしまった。休みたいが、休めそうな場所なんてどこにもない。
「あ・・・」
顔を上げると、月に照らされて寂しく輝く駅が見えた。これが例の廃駅だろうか。
ここならAが休んでいるんじゃないか?そう思って駆け込んだが、駅の中は重苦しい静けさに包まれているだけだった。
「はあ・・・」
溜息をついてベンチに座る。が、思った以上に軋んだことに驚いて弾かれたように立ち上がる。
「・・・こ、壊れたりしないよね?」
手で軽く押してみる。
・・・ぎしいぃぃ。
「座れなさそうだなぁ」
諦めて駅を出ていく。
一瞬、暗い道で白い尻尾が揺れた気がした。が、そこには何もいなかった。
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のこ太(プロフ) - カナさん» カナさん、ここまで支えてくださって本当にありがとうございました!!応援が思ったよりも励みになることを実感させられましたよ本当に。カナさんの方こそ、お体に気を付けてお過ごしください(^-^)/ありがとうございました!! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 62fcbd0269 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - お疲れ様でした! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 4007a8bca9 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 完結おめでとうございます!少し寂しいですが、これからも体には気をつけて過ごしてくださいね、 (2016年12月25日 20時) (レス) id: 4007a8bca9 (このIDを非表示/違反報告)
のこ太(プロフ) - こどくなおうじ。さん» ありがとうございます!頑張りましたよ・・・。結構グダグダしたとは思いますが、ここまで読んでくださって本当に嬉しいです。ありがとうございます!! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 62fcbd0269 (このIDを非表示/違反報告)
こどくなおうじ。(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2016年12月25日 20時) (レス) id: 49348a965b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のこ太 | 作成日時:2016年9月17日 21時