ネコ科の同居人 その2【文豪ストレイドッグス】

やってしまった白猫 ページ21

Aside



私は今、猫になって散歩をしている。





見たことのない街並み、初めて見るような電車。





全てが新鮮だった。そして、猫の低い目線から見る世界が久し振りで楽しかった。





・・・ちょっと待って。見たことのない街並み？





恐る恐る後ろを振り返る。そこには、私の知らない家や店が道路沿いに並んでいた。





・・・ここはどこ！？





.





「ど、どうしよう・・・。携帯も持ってないし、お金ないから公衆電話も使えないし・・・交番に行っても探偵社の住所知らないしここの住所がわかっても・・・うわぁん！どうしよう・・・」





人間に変身して近くの公園のベンチで頭を抱える。





やってしまった。猫の時の気持ちに帰りすぎた。完全に迷子だ。





「で、でもまだ昼だし・・・。とりあえず戻ればっ・・・」





希望を持って立ち上がったが、今度は絶望的なことを思い出す。





「・・・あれ、どっちから来たんだっけ！？」





休もうと思い公園を探してさまよっていたせいで、どこから来てどこを曲がったのかとかはもう覚えていなかった。





「・・・敦さぁん・・・助けてください・・・」





絶望と悲しみに震える声は、誰にも届かなかった。


+++
今回短い・・・。この迷子事件でネコ科の同居人も終わりますかね。

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