ネコ科の同居人 その2【文豪ストレイドッグス】

タイピング ページ18

太宰side



「敦さーん！！おはようございます！」





「わっ、A！？」





まるで猫のように敦君に飛びつくAちゃん。





どうやら昨日は谷崎君の家に泊まっていたらしく、今日は敦君ではなく谷崎兄妹と出社してきた。





「いいなー。私もAちゃんに飛びつかれたいなー」





「お前は仕事をしろ・・・。なんで俺にまでお前の仕事が回ってくるんだ」





敦君を羨望の眼差しで見つめる私を、国木田君は苛立ったような疲れたような目で見ていた。





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昼を少し過ぎた頃。





「えーっと・・・お、ふ、た、り、の、わ、た、し、に・・・あれ、変換できませんよ？国木田さーん！」





ノートパソコンの画面をちらちら見ながら、右手の人差し指でキーボードを押して何か文章を打っているAちゃんがいた。





「変換か？それなら一気にするより分けてやったほうが早いぞ。お二人の、と妾に、で分けてみろ。」





「えっと・・・お二人の・・・あっ！できた！ありがとうございます！パソコンって難しいですね・・・」





喜ぶAちゃんを見届けてから、国木田君は自分の机に戻ってまた仕事を始めた。





「ねえ、Aちゃん、何してるの？」





「パソコン・・・というよりタイピングか。敦がやっているのを見てやってみたいと思ったみたいだ。棚に入っていた本を写させている。」





国木田君がAちゃんの方を見る。私もそっちを見ると、本と画面、キーボードを見ながら手を動かすAちゃんが見えた。





「そ、の、ご、あ、い、じょ、う、を・・・その御愛情を、・・・えーと、う、け、い、れ、ま、し、た、受け入れました・・・」





聞こえてくる言葉はなんとなく不気味な物語を想像させたが、Aちゃんの声が不気味さを和らげているように感じた。

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