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「というか、どうやってこんなに集めたの？」
『それは…＿＿』
昼休み
源先輩に手伝ってもらっていたら…
「見て！源先輩が虫を集めてる！！」
「真鍋さんもいるぞ！」
ーーーー
ーー
「そしたらいつの間にかこうなりました。」
「あの源輝とAに昆虫採集させたのかお前…」
大人気な二人を…。と土籠先生はタバコをふかしていた。
「こんなことまでして何をお願いするつもりだったの？」
『！』
「え…？」
「…進路相談だよ。俺ァコイツらの担任だからな。」
言葉に詰まった私たちを救うように土籠先生は言った。
「それより、なんの用だったんだお前。」
！ヤコさん…
ヤコさんが私の腕の中にぴょんと飛び込んできた。
ふんわりした毛が手に当たる。
「花子くんを捜してるの。」
「あー…七番様なら、そこら辺でうだうだしてたが…。実習園の方に行ったな。」
私たちが来た時にはいなかったから、入れ違いっぽいね。
私は腕の中で丸くなってるヤコさんをそっと撫でた。
「何か用事か。」
「うん！ちょっといいことあったから、自慢しちゃおうと思って！」
私は八尋先輩の笑顔が見れなかった。
「えっ？土籠先生？なんですか？」
「いやぁ、別に。」
土籠先生は八尋先輩の頭に手を置いた。
その後の笑顔が切なく、優しくて胸がぐっと抑えられた。
「先輩っ！あの…何か…困ってることとかありませんか？」
光が教室を出た八尋先輩の腕を掴む。
その隣でヤコさんを抱え、私は八尋先輩を見つめた。
「なんで？」
「ええと、なんつーか……」
光は下を向いて辛そうな顔をしていた。
『……八尋先輩、私たちは八尋先輩の味方です。ずっと、何があっても。』
「…わかった。いつもありがとね、光くん、Aちゃん。」
優しく嬉しそうに笑う八尋先輩。
何も出来ない自分が恨めしい。
「…何度も言ったが、俺に何を言おうが頼もうが…未来は変わらん。それがあの娘の運命なら、死は確実に訪れる。そういうものだ。」
「でも…！」
「まぁ…未来を知りたいったんなら、少しぐらいは構わんが。」
そう言って先生は引き出しを漁り出した。
「ほらよ。」
『！八尋先輩の本…。』
「そうだ。元管理人だからな、本を取り寄せる方法くらいはある。」
先輩の今日の未来は……
『はあぁああぁ！？！花子おおぉ！！！』
私たちは教室を飛び出した。
「…大丈夫かアイツ…」
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作者名：ななサマ | 作成日時：2024年3月15日 21時
