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「それにしても…ミツバ。1人じゃなんにもできないんだから。」
男の子はミツバの顔に血をつけた。
『やめて。』
怖がってるミツバを放っておけなかった。
「あ！この前の子だー！！覚えてる？俺司！」
『え、えっと…うん。』
「ほんと！？うれしー！」
男の子…じゃなく、司くんはニパッと笑う。
笑うとさらに花子さんに似ているよね。
「君の名前はー？」
『…真鍋A。司くん…でいい？』
「うん！A！」
司くんの顔がぱあっと明るくなる。
それが少し可愛く見えた。
「あ、そうだった。ミツバ、強いやつ食べないとね！はい、ミツバ。」
司くんはカラスの胸あたりに腕を入れ、心臓を掴み取った。
心臓から炎のようなものが上がっている。
やっぱり生きたものとは違う。
そしてミツバを捕まえ、それを…口に無理やり押し込んだ。
『「ス、ストップ！！」』
「大根先輩…Aちゃん…」
八尋先輩は司くんの腕を、私はミツバを握った。
「い、嫌がってるから…ね？」
＿＿＿ガッ
『先輩！？』
司くんは先輩のことを見もせずに頭を床に叩きつけた。
「あ、女の子には優しくしないといけないんだった。」
寸前で司くんは叩きつけるのをやめ、ふわりと八尋先輩を抱えた。
「？？」
八尋先輩は恐怖で頭が混乱しているみたいだった。
「いい子だから静かにしててね。」
＿＿＿トン
＿＿＿ドサッ
『…先輩？』
司くんが八尋先輩の額に指を当てると、気絶したように寝てしまった。
『な、何したの…？』
私は八尋先輩を抱える。
「ちょっと寝ててもらうだけだよ〜！ね、A！こっちで遊ぼうよ！」
『…それは、出来ないよ。』
「え…？…なんで？」
今までキラキラしてた目からハイライトが消える。
ゾワッと全身が震えた。
『わ、わかった…でも八尋先輩を安全なところに移動させて？』
「うん！いいよ！」
私がわかったと言うと、司くんの目にハイライトが戻って人懐っこい笑顔を見せた。
言う事聞かないと私だけじゃなくて、先輩やミツバまで被害が及ぶ。
「運んだよ、あそぼー！！」
『…何しようか？』
私は八尋先輩を1度抱きしめて司くんに向き合った。
八尋先輩の温もりが、私の心を落ち着かせてくれた。
「ミツバはそれ食べててね！また来るね！」
「えぇ！？」
ミツバを残し私は司くんに着いて行った。
ごめんねミツバ…。
何もできない自分がウザったらしい。
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作者名：ななサマ | 作成日時：2024年3月15日 21時
