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「いやきっんも！！なになに？急にキモおじじゃん！」
「Aちゃんは渡さないわ！」
『え、何考えてんのよ…』
怖いんだけど、このカラス…。
「我が眷属達よ！あの可愛い娘を奪ったものに、入れ替わりの権利を与えましょう！」
「「『……え！？』」」
「さぁ、行け！！」
「いやああああ！Aちゃんが奪われるうぅ！！」
『八尋先輩！掴んでください！スピード上げますね！』
八尋先輩に追いつきそうな人形が見えて八尋先輩の手を取る。
「いやああぁ！Aちゃん、助けて！」
『遅かった！八尋先輩！』
気づくのが遅れて八尋先輩が捕まってしまった。
「たあっ！！」
『ミツバ…！』
「こっちだばーか！Aちゃんだけに頼らないよ！」
ミツバが人形に向かって鏡を投げていた。
「うわーーっ！ごめんなさいごめんなさい！放して！」
＿＿＿バキッ
『うそ、ミツバ！！』
ミツバの頬を人形が殴った。
「ジタバタと鬱陶しいですね。」
「がはっ！」
『八尋先輩！？！』
八尋先輩が人形に握り潰され、ぐったりしている。
『やめて！！』
「次はあの子よ。」
たくさんの人形が私に向かって走ってきた。
人形が壊した柱の棒を手に持ち、振りかざす。
『八尋先輩とミツバを放して！』
「うるさいですね。」
『あ！』
棒が取られ、人形が私に向かって拳を振り上げた。
『っ！！』
痛みが来ると目をギュッと閉じた。
「うわあああん！助けてえええ！」
＿＿＿「…しょうがないなぁ」
ミツバの泣き叫ぶ声が聞こえたと思ったら、どこかで聞いた声がした。
『っえ、』
周りにいた人形全部が崩れていた。
『あの時の…！』
ミツバを倒した花子さんに似た男の子だ。
＿＿＿ドボッ
『！……鏡が、』
男の子がカラスの映っていた鏡を割り、カラスの胸ぐらを掴んでいた。
＿＿＿ガッゴンッバキッベキッ
カラスが男の子に殺された。
片腕でカラスの頭を何度も床に打ち付け殺した。
私は声が出なかった。
「あーあ、鏡割れちゃった。」
男の子がこちらを向く。
手にはカラスの血がべっとり付いていた。
「あ、」
八尋先輩に向かって歩いていく男の子。
『八尋先輩！』
先輩は腕を顔の前に持ってきて防御している。
「生きてる？」
「え、うん…」
「そっか！良かったね！」
さっきカラスを殺したとは思えない無邪気な笑顔。
『っ…』
ただひたすらに怖かった。
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作者名：ななサマ | 作成日時：2024年3月15日 21時
