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「寿命が残ってない…？どっ…どういうことだよ！？花子！」
『うそ、でしょ…？』
「本当じゃよ少年、少女よ。」
聞きなれない声に顔を向けた。
そこにはおじいさんの時計守がいた。
確か…過去を操るんだっけ。
＿＿＿カチコチ
「うおおぉお！？戻った！？」
おじいさんの時計守さんは光を元の姿に戻してくれた。
「今更お出ましとはいいご身分だな。"過去"」
蒼井先輩はご立腹の様子。
「ふぉふぉ…時を戻せば全ては元に戻るのだから。」
「時を戻す…てことはアイツが3人目の！？」
「そう、過去を司る時計守。」
時計守が3人揃ったってことだね。
それよりも…
『八尋先輩は…どうなってるんですか、花子さん。』
「そうだ！おい花子、説明しろ！」
…うそ、だよね。
また、花子さんがくだらないイタズラをしてるだけ…だよね？
「……から、だから言ったのに。未来を司る時計守にヤシロが触られないように注意して…って。」
「……！」
光はその言葉に言葉を詰まらせた。
花子さんは光に注意を頼んでいたらしい。
眠り続けている八尋先輩を抱えた花子さんの表情から分かる。
これは、くだらないイタズラなんかじゃない。
現実だ。
「単純な話だよ！」
花子さんは八尋先輩を壁に寄りかからせて、くるりとこちらを向いた。
さっきの顔とは打って変わって、明るいいつもの花子さんだった。
「その子はヤシロの時間を進めようとした。けど、ヤシロの時間は進められるほど残っていなかった。
＿＿ヤシロは死んじゃうのさ。
＿＿＿＿＿あと一年もしないうちにね。」
『そん…な…』
私の頭は真っ白。
なにもわからない。
「なんでんなことわかるんだよ！つーか、いつからそんなこと…！」
「いつからって…最初から？
元々そういう運命だったんだ。俺を呼び出せるのは彼岸に近い存在だけなんだよね。例えば、少年とマナベみたいに生まれつき霊力が強いとかー…そうでないなら、
＿＿死期が近付いてる…とか。」
そんなに…最初から…
出会った時からわかっていたなんて。
そんなの、辛すぎるよ…っ！
『花子…さん…っ』
私は花子さんの制服を引っ張った。
「無理だよ源後輩、A。怪異ってそういうもんだよ。そいつは君らのことも八尋さんのこともなんとも思ってないのさ。」
「俺なりに気を使ってあげたんだよ？」
なにも思ってないなんて、絶対嘘。
だって花子さんは八尋先輩がだいすきだから。
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作者名：ななサマ | 作成日時：2024年3月15日 21時
