マイボイ好きの少女は何を思う【3年A組】

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そう言って先生が語ったのはある一人の教師の事だった。

生徒を一人亡くしたのを活力に変えた、そんな教師のお話だった。


けれど、そんな先生に対して里見君は噛みついた。


里見「知ったような口ききやがって、おかしいだろ。

こんな奴に負けっかよ、なんだよその目は何なんだよ。」


茅野「真壁君は弱くなんかないよ、澪奈が言ってた。

私が真壁君の選手生命を奪った、でもだからこそ二人の分まで努力して一分一秒でもゴールするんだ

ってそれが私のできる事だからって、澪奈がそう思えたのはきっと」


里見「なんだよ、知ってたよこいつが、真壁が俺より強いって。

取り返しのつかないことしたって、そんなん知ってたよ殴ってくれよ、殴れよ、殴ってくれよ」


真壁「景山はきっとそんな事望んじゃいないよ、この悲しみを力に変えてくれ里見。

景山の分まで。」


『くだらな...』


はぁ、とため息交じりにそう言ってしまった。

声は小さかったはずだが、先生がこっちを見てる気がして居場所がなくなったような気がした。


柊「刑事さん今語ったことはあくまで理想論です。

でも現実はそんなに甘くない。」


そう言って拳銃を私達に向けた。

皆が焦って後ろに下がり始める、そんな事しても撃たれるときは撃たれるから無駄なのに。

そんな思いは口に出さずにいようか。


郡司「柊！！何をするつもりだ！」


柊「言ったはずですよ？

間違えたら5人の命が犠牲になるって」


柊「今から呼ぶ5人は隣の美術室に来い、それ以外の者は教室から出るな。

出たら命の保証はない！」


里見「待ってくれ！5人のうち1人は俺でいい。」


『あらあら...』


里見「これが正しいことだなんて思ってねぇ。

でも、これは俺がまいた種だ、ここにいる誰よりも責任を取らなきゃいけねぇ。」


真壁「里見...」


私はそれを冷めた目で見てることしか出来なかった。


柊「いいだろう、残るは4人だ。

瀬尾雄大！

堀部瑠奈！

西崎颯真！

結城美咲！」


郡司「柊馬鹿な真似はやめろ！
お前のやってることは矛盾している！」


柊「矛盾？何がですか？」


郡司「お前はただ景山澪奈の復讐がしたいだけだ！

それこそ負の感情の何物でもない！」


柊「それはまだ刑事さんに全貌が見えていないからですよ。

いつか、生徒達は分かってくれるはず。」


そして五人は美術室に連れてかれ、その直後、けたたましい爆発音が聞こえてきた。

廊下を見てみると、もう動かない手足があった。

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