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「それで、俺に頼みたい事って？」
畑の外へ足を運ぶと、いつもより難しい顔をしたひとらんらん様が確認するように聞いた。
緊張で口の中が乾燥するのを感じながら、私は先程総統閣下と話した内容を彼に伝えた。
『それで……皆さまの前で私の意見を述べる事になりまして』
「うん」
『その、やっぱり1人では心細いと言いますか』
ヘタレて言い淀む私の台詞に彼の表情は益々険しいものへと変化していく。
彼は私に好きだと言ってくれた。
それに誠心誠意応えたいと思っているのに、あまりに久しぶりの感情に言葉が上手く出てこない。
＿＿私はひとらんらん様が好きだ。
『それで、えぇと……』
「あのさ、A。１つハッキリさせたいんだけど」
『はいっ』
ワントーン低い声が耳に入って顔を上げると、彼は私の両肩に骨張った大きな手を乗せぎゅっと掴んだ。
懐かしさのある真っ黒な瞳の中には、小さく私の姿が映っている。
「俺はAが好きだ、結婚したいと思ってる」
『っ……』
「お願いは勿論聞いてあげる。だから、報酬に今ここでAの答えが聞きたい」
想いが全部凝縮されて詰め込まれたような一言一言が、私の脳をガンガンと揺るがす。
此処で私がNOを突きつけても、彼は宣言通り詳細も分からぬ〈お願い〉を聞き入れてくれるのだろう。
彼のそういう所に惚れたのもまた事実である。
周りに好意を貰って自分の中でも葛藤があってで気持ちが不安定だった私に、待つという選択をくれた彼に無意識の内に惹かれていたのだ。
『……私も、好きです』
「……え？」
『随分と遅い返事になってしましたが、私も貴方の事がっ…！』
言葉をそれ以上続ける事は出来なかった。
それは肩を掴んでいた彼の手が背に回り、私の体を自身の方へすっかり引き込んでしまったからである。
ドクンドクンと絶えず心臓の音がしていて、どちらの音なのかなんてまるでわからない。
この瞬間、まるで私と彼が1つになってしまったような可笑しな錯覚を起こした。
「……マジで惚けた。夢じゃないよな」
『私は、ひとらんらん様が好きなんです』
「今言うのはズルいだろ…！」
これでもかと両腕に力を込められて、息をするのも少し苦しいくらいだ。
思えば彼がこんなに感情のままに何かアクションを取るというのは初めての事かも知れない。
バッテンのついたマスクが額の辺りに当たる。
その感触に身動ぎすると、彼は私を捕まえる逞しい腕をより一層絡めて私を抱くのだった。
ラッキー食べ物
すし
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宙(プロフ) - はぁ〜。面白かった！！(満足)欲を言えばゾムさん落ちが見たかった笑 (2020年9月7日 10時) (
レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - すずらんさん» こんにちは、コメントありがとうございます！そう言って頂けるのが一番の喜びですので、どうぞこれからも宜しくお願い致します。 (2020年2月12日 12時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
すずらん(プロフ) - コメント失礼致します。とても楽しんで読ませて頂いております、最高ですありがとうございます… これからも楽しみにしております、応援させて下さい！ (2020年2月10日 15時) (レス) id: 14859b81d2 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - スリジャワルダナプラコッテプリンさん» コメントありがとうございます！微力どころか皆様の応援が最大の力源となっております。ゆるりと進んでいきますのでお時間のある時に是非お付き合い頂けると幸いです。 (2020年2月9日 8時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 澪華さん» こんにちは、コメントありがとうございます。1人目から随分更新が空いてしまったのですがそう言って頂けて幸いです。これからもゆったり進みますので何卒よろしくお願い致します (2020年2月9日 8時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2020年1月25日 15時
