▽策略的な告白 ページ40
・
「お前になんかあったらオレは＿＿」
『ぅ……っ』
大変感動的な場面だし、本来なら赤面必須の距離感であったが私はそれどころではなかった。
力が強すぎて息が出来ないのですが…！
子どもでも抱え込むように真正面から覆いかぶさっている彼は、真っ直ぐ此方を見つめながら口をパクパクとさせている。
「オレはお前のこと……」
『こと…？』
「好きや」
「そう！お前の事が好きや！……はァッ！！？」
後方から合いの手よろしく差し込まれた声に共鳴するように叫ばれた言葉に、一番驚いたのはシャオロン様本人であった。
彼が顔を真っ赤にして振り返った先には、ヘルメットみたいな防具をつけた紫の軍人が下手な口笛を吹いている。
「ショッピぃ！！！」
「えーなんスか、シャオロンさん」
「おま…！絶対ワザとやろ！？」
マシンガントークで畳み掛けられるも、ショッピ様はどこ吹く風だ。
それどころか、次のたった一言でシャオロン様を丸め込んでしまったのだから恐ろしい。
「なんや、今の嘘やったんですか？」
「なっ……嘘ちゃうわ！A、嘘ちゃうからなホンマに好きやで！！」
『は、はい！光栄ですっ』
クワッ！と目を見開いて開口する様子は、告白特有の甘い空気など一切含んでいなかった。
しかし、赤みを帯びた顔も此方を見据えた瞳も先程の発言が本気なのだと表現していて…。
私が彼に釣られて顔を赤くしたのは言うまでもない。
「あー……もうそろそろええか？」
『コネシマ様……』
意外にもここまで静かにしていた彼は、気まずそうに頭をガシガシしながら言った。
「城の奴らも心配してんねんから、早よ戻るで」
『ああ……ご迷惑を』
「はいはい、気にしやんといて下さいね」
「ほれA、帰るで！」
革製の手袋をした黄色い軍人の手が私の腕を取る。
ショッピ様がインカムでの連絡を受けてから、帰りの馬車を手配してくれたのだそうだ。
「帰る」と言う単語は酷く歯痒い響きであったが、今の私には帰る場所は他でないあの城なのだと実感するに十分だった。
「Aっ！……ぐぇっ」
「おーおー、抱きつくな抱きつくな」
『た、だいま戻りました……』
バッと助走をつけたゾム様の首根っこを素早く掴んだトントン様。
「シャオロン、いつまで手ェ握っとんねん」
「あん？なんやロボロ何か文句あるんか？？」
「大有りやわ！」
ザワザワと騒がしい空気は、不謹慎ながらも私を日常に引き戻してくれた気がした。
ラッキーゲーム
hoi
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奥山乃愛(プロフ) - niさんやsnさんにも愛されたいです（恋愛的に）無理せずに頑張ってくださいね！ (2022年11月2日 16時) (
レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - モモさん» お祝いのコメント感謝申し上げます。途中更新期間が空いてしまい申し訳ありませんでした。ご期待に添えたものであれば幸いです、これからも是非にお付き合いくださいませ。 (2019年11月30日 23時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 続編おめでとうございます。リクエストの小説も楽しく読ませて頂きました。ありがとうございますm(_ _)m相変わらず言葉の言い回しが美しく素晴らしい作品だなぁと改めて思いました。冬は何かと忙しい時期になると思いますが、無理をしない程度に頑張って下さい(*^^*) (2019年11月28日 12時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
あん肝ポン酢丸(プロフ) - 猫夢さん» こんばんは、好きの一言が何より嬉しいので無問題です…。ありがとうございます。 (2019年11月24日 19時) (レス) id: 6a4a4e6549 (このIDを非表示/違反報告)
猫夢(プロフ) - 語彙力がないけど言いたいので失礼致します。好きです... (2019年11月21日 13時) (レス) id: e485f856c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あん肝ポン酢丸 | 作成日時：2019年9月22日 15時
