3年A組 短編集2

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「なぁ、俺じゃダメなのかな」



『え?』



「真壁じゃなくて、俺じゃ代わりにならないかな」




『里見くん…何言って…』



「もう辛いんだよ…」



『え?』



「空音ちゃんが…

影でコソコソ泣いてるとも知ってる。」



なんで…そんなこと知ってるの。



「真壁と話してる時めっちゃ笑顔だけど…


花恋と話してる時はすごい傷ついた顔してる」



『なんで…それを知ってるの…?』



「見てたから…」



『え…?』



「俺はずっと、空音ちゃんが好きだった」



『うそ…』



「うそじゃない!!」



里見くんは声を荒げたと思えば…



「ずっと…ずっと…好きだった…」



と声を震わせながら告げた。




『…じゃあ、朝に言ってた好きな人って…?』



「…空音ちゃんだよ…。」



あの時、応援してるなんていっちゃった。


絶対傷ついたよね…。




『応援してるなんていって…ごめん


まさか、私だと思ってなくて…』



てっきり花岡さんかと思ってた…。



「しょうがないよ…いってないし…」



と2人で俯く。



「まだ真壁のこと好き…?」



と里見くんは恐る恐る聞いてきた




『…すき。だけど…』



「だけど…?」



『幼なじみには勝てないよ…。』




花恋はいつも翔と過ごしてきた。

なら最初から勝ち目なんてない。




「告白は?」



『もう、振られるって分かってるし』




「そんなのわかんないだろ…」



『え?』



「結果はどうだっていい。

だから、後悔しないように、想いは伝えろ。」



里見くんは真剣な眼差しで伝えた。




『…それで話せなくなったら…』



「それは俺に任せて。」



『…わかった。』



「…泣きたくなったら、俺を呼んで?」



『…うん。』



「…俺の返事はいつでもいいから。

まずは、真壁の件を解決しないと。

…帰ろっか!」






いつの間にか外は真っ暗で。


2人して涙を拭いながら帰った。









_次の日_

私はまず、花恋を呼び出した。



花「なに?」


『ひとつだけ言っておきたいことがあって』


「ん?」


『花恋が翔のこと好きなことは分かってる』


「なに、急に…」


『私も、翔がすきだった。』


「知ってる…けど、だった?」


『うん。今日で終わり。』


「どういう…こと?」


『今日で2年の片想いはやめて。

新しい恋に進もうと思って。笑

…だから花恋。がんばりなよ。笑』



「…よくわかんないけど。

…ありがとう。

空音も頑張りなよ」

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