契約します ページ8
え。そんな……まさか。
私が悪魔の実を……？
このグランドラインで悪魔の実の能力者は珍しい事じゃない。
むしろ名の知れている強者なら食べていてもおかしくはない代物だった。
悪魔の実を食べたものは海に嫌われ、泳げなくなる代わりにチートな能力を手に入れることが出来る。
……でも、私が悪魔の実の能力者になってしまうなんて。
驚きのあまり言葉が出なくなっている私に、サー・クロコダイルは声をかけた。
「クハハ。まあ、驚くのも無理はねェよな。んで、これから本題だ。」
――――ウェザウェザの実の能力は、天気を操る能力。多分この雨もお前が無意識で降らせてんじゃねェのか？
わた、しが……この雨を？
驚いて、呆然としている私を置き去りにしてサー・クロコダイルは話を続ける。
「まあ、本来は自分の意思で天気を操れるもんだがお前はまだ子供だからな。きっと今は感情で操れる程度なんだろう。……しかし。」
サー・クロコダイルは眉をしかめて、親指で唇をなぞった。
「……厄介な事に、俺の目的はその悪魔の実でね。」
『!!!』
背筋がゾッとする感触が体全体に伝わった。
サー・クロコダイルの目的がこの悪魔の実だったとするなら、それを食べてしまった私はきっとただでは済まされない。
きっと、死ぬより辛い苦痛を味わうんだ。
頭の中に様々な拷問の方法がポンポンと思い浮かんだ。
こんな時に限って私の想像力は豊かになる。
「おい、怯えるな。……前も言ったが俺はお前を殺すつもりはない。」
『ご、ごめ、ごめんなさ……い。』
恐怖で震える口を必死に動かし、謝罪の言葉を声に出す。
「クハハ、今さら謝ったってどうにかなるもんじゃねェだろ？」
―――――そこで提案だ。お前、俺の仮娘になる気はあるか？
『仮娘……？』
「ああ。そうしたら俺はその能力を手元に置くことが出来る。お前は生きることが出来る。……どうだ？悪い話じゃねェだろう？」
確かに、その通りかもしれない。
どうせこの島で一人ぼっちになって死ぬよりも、目の前の……王下七武海であるサー・クロコダイルについていく方がよっぽどましだ。
だったら私は………
『私、Aって言います。……こんな私ですが、よろしくお願いします。』
「交渉成立、だな。」
サー・クロコダイル……いや、「お父さん」に優しく頭をポンと撫でられると、雨があがり、空が晴れていった。
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
