服 ページ31
「……Aは、もう風呂に入ったよな。」
念のためにそれを確認すると、書類が乱雑に放置されている机の椅子に勢いよく座る。
その途端にこれまでの疲れがどっと押し寄せてきて、机に突っ伏してしまった。
………それにしても、だ
(お父さんを幸せにしてあげたいからさ！)
『……子供の無邪気ってのは恐ろしいもんだな。』
子供とは言え、俺はその言葉に一瞬ドキリとしてしまった。
今でも少し頬が赤い。
どうせその言葉はの意味など知らずに、ただの善意のつもりで言った言葉。
だが、俺達大人にとっては違う。
子供と大人は価値観が違うとはっきり証明された瞬間だった。
……そういう所を少しずつ直していかねェとな。
「嬉しそうね。」
いつの間にかミス・オールサンデーが俺の机の前に立って俺の表情を伺っていた。
その手には書類の山。
きっとまたつまらない案件の書類だろう。
机に乱雑に散らばっている書類と合わせると……ざっと半日ぐらいって所か？
少しは休ませて欲しいものだな。
「……お前には関係無い事だ。」
それよりもはやく書類をくれ、と催促するとミス・オールサンデーは意外そうな表情をつくる。
「あなたが積極的に仕事を励むなんて珍しい。何か変なものでも食べたのかしら……それとも熱？」
「馬鹿にしてんのか」
本当は仕事なんてやりたくはない。
だが、明日はAに教えることが沢山ある。
珍しいこともあるものね、と笑みをこぼしながら書類を渡すミス・オールサンデー。
コイツ……。次また何か変な事言いやがったら枯らす、と思いながら怒りを抑えた笑みを浮かべ、書類を受け取った。
パラパラと書類に目を通していると、ミス・オールサンデーが何か思い出したかのように「あ。」と言葉を漏らす。
その短い言葉は俺の視線を引き付けるのに充分だった。
「Aちゃんの服、どうしようかしら。あの泥だらけの服をまた着せるという訳にもいかないし。」
「そんなもん、お前の服で良いだろ？」
こんなくだらねェ事で時間を取らせるな、と思いながらミス・オールサンデーを睨み付ける。
「そう？じゃあ、私が着ているこの服でいいかしら」
「まてまてまてまて俺が悪かった」
ガタリと椅子から立ち上がり、ミス・オールサンデーを必死に止める。
子供とはいえAは立派な女だ。
流石にミス・オールサンデーの着ているような胸元ががっつり開いた服を着るのには抵抗があるだろうしな……。
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
