照れ隠し ページ30
私は頭をこてんと傾げる。
「お、おま…お前……意味分かって言ってんのか？」
握っている手をばっと振り払われて、そう告げられる。
私はその言葉にますます意味が分からなくなって、また首をこてんと傾げた。
『私、馬鹿だからそういうのはよく分からないけど、お父さんが笑ってくれるのなら何でもするよ！』
……私がそう言ってもお父さんはだんまりとしている。
私は嫌われたんじゃないかと思い、慌てて言葉を続けた。
『もしかして、迷惑だった？……じゃあ、何がいい？ぎゅーかな？頭なでなでかな？何でも言って！私を拾ってくれた恩返しに、お父さんを幸せにしてあげたいからさ！』
「……」
お父さんが片膝をついて、私に目線を合わせてくれる。
そして、右手がすっと私の目の前に出された。
やっぱり、さっきの私の言葉に怒っちゃってるんだ。
そう思ってぎゅっと目を瞑ると、頭にポスンとゴツゴツしたものが乗っかった。
そしてそれは私の頭をぐしゃぐしゃとなで回す。
『おと……う…さん。』
すぐに分かった。
これはお父さんの手だ。
今まで瞑っていた目をぱっと開けてお父さんに笑顔を向けると、お父さんは口を左手の鉤爪で隠すようにしていた。
頬は少し赤く染まっていて、目線は向こうを向いている。
……どうやら目を合わせてくれる気は無いらしい。
「……風呂、は……その階段をくだって……見える扉の先だ。……行ってこい。」
たどたどしい言葉でそう言われてはっと思い出した。
『……！お風呂!!!』
そうだ、お風呂お風呂!!!
私はお父さんの言われた通りに階段をかけ下りると、そこにはちゃんと扉があった。
今度は学習して外開きで扉を開けると、脱衣場が視界に入る。
……大きな鏡もあるし、タンスの中にちゃんと髪を拭くためのタオルと、体を拭くためのタオルの二種類が几帳面にたたまれてしまわれている。
うん！
お風呂に入る準備はばっちりだ！
「言っておくが悪魔の実の能力者になったんだ。シャワーを浴びるのはいいが、うっかり浴槽にドボン！なんて馬鹿げた事すんじゃねェぞ。」
お父さんの声が遠くから聞こえてくる。
私はその声に分かった！と元気よく返事をして、お風呂に入る支度を始めた。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* -*-*-*-*-*-*-*-
小説の書き方と主人公ちゃんの精神年齢をちょっと変えました。
いつもと雰囲気が違うと思われますが、これから先はこんな感じで進めていきます。
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
