分かれ道？ ページ26
答えは単純だった。
一体どっちに行けばいいのだろうとお父さんの背中を追い越して、右と左の通路をどちらともキョロキョロと覗きこんでみたらすぐに分かる。
……なんということでしょう。
今まで私が分かれ道だと思っていた２つの通路の１つは、覗きこんだらすぐ壁があるような何もない道だったのだ。
え、なにこれ。
なんのための分かれ道なの？
私が必死に思考を巡らせていると、背中からお父さん達がこちらに追い付いてきた。
私が混乱していると即座に判断したのか、お父さんは私の心情を読んで、私の疑問に答えてくれる。
「……その通路はな、元は分かれ道のつもりで作ろうと考えていたんだが……よ、予算がな……」
お父さんが再びうなだれて肩を落とす。
目はキョロキョロと忙しなく動いていて、かなり動揺してるらしい。
「レインディナーズを建設するのに思ったよりも費用がかかったみたいなの(特にあのバナナワニの像)。そのせいでその月の給料が半分カットされていたわ。」
ロビンさんは冷ややかな瞳でお父さんに笑顔を向ける。
お父さんはその目を見ると、体をビクッと震わせて申し訳なさそうに視線をはずしていた。
ここまで来るとお父さんは王下七武海の威厳が全くと言って良いほど無かった。
女性に威圧されてこれ程までに焦っている七武海を見るのは多分お父さんが最後だと確信する。
「……まぁ、それは置いておくとして、早く先に行くぞ。Aを風呂に入れねェといけねェし。」
上手く話題を変えてきたお父さんにツッコミを入れようとしたけど、「お風呂」という単語が聞こえてくると私の口はピタッと止まった。
『……え！ここってお風呂あるの！？』
「ああ。当然だろ？」
念願のお風呂！
無人島で服も体も泥だらけ、おまけに蛙を踏んじゃった足を今すぐに洗いたいと思っていたから、とても楽しみだ！
『えへへ。お父さん、早く行こう！』
私はお父さんの手をぎゅっと握って、左の通路を駆け抜ける。
急かすなよ、とお父さんは慌てていたけど私はそんな事気にしていられる余裕が無かった。
……お風呂なんて何日ぶりだろう！
ここ数日はずっと無人島で暮らしていたし、その時は生きることに必死でお風呂の事なんて考えてなかったなぁ。
【人間は余裕が出来るとわがままになる。】
昔家族からこんな事を言われたけど、案外それは間違いじゃないのかもと思いながら長い長い通路を走っていった。
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
