騒がしい仮の親子 ページ18
こんぺいとう片手にモグモグしながら私はナノハナをテクテクと歩く。
服が汚れるからって私を引き剥がしたお父さんとは親子の縁を切ってやろうか(仮だけど)と本気で考えたけど、追加でもう一つこんぺいとうを買ってくれたから、今はとっても上機嫌！
私、またお父さん大好き人間になったよ！
お父さんが小さな声で単純だなコイツ……とか言ってた気がするけど気のせいだよね。
でも、こんぺいとうを一つぽいっと口に放り込むと、先程まで考えていた事がぱっと霧のように晴れてそんな事どうでも良くなってくる。
『そういえばさ、私達ってどこに向かってるの？』
「あぁ、そういえば言ってなかったな。俺達が今歩いているナノハナを越えた砂漠の地帯……そこに迎えに来ているんだ。」
『そうなんだ〜。その人とお友達になれるかな？』
妄想を膨らませてきゃっきゃとはしゃいでいると、お父さんが呆れたようにため息をついた。
「……迎えに来るのは亀だがな。」
『亀！？』
亀が砂漠を走ってる姿なんて見たこともない。
というより聞いたこともない。
短い足をバタバタさせて走るのかな。
想像してみると少し可愛いかも。
「しかも、煙草を吸ってる目付きの悪い変な亀でな……バンチって言うんだが、そいつにかかれば遠く離れたレインベースまでは二時間もかからねェ便利な乗り物だ。」
『え、名前カッコいい……』
「そこじゃねェだろ」
お父さんが冷静にツッコミを入れると、ロビンさんがフッと笑って私に話しかけてきた。
「本当はオフィサーエージェント用の乗り物なんだけど、今回は特別なのよ。……あなたを連れて砂漠を歩くなんて無理があるでしょう？」
なんだか私が頼りない、と言われている感じがして、少ししょぼんとしてしまった。
その途端、どこから沸いて出てきたのか先程まで晴天だったナノハナに分厚い雲が集まり、空が急に真っ暗になる。
うつむいていた私には急に雲がかかった状況を知らず、もう夜になったのかとぼーっと考えていた。
「お前……能力知っての事か？」
『は！』
私の能力は天気を操る能力……
でも、まだウェザウェザの実を食べたばかりの私はまだ感情でしか天気を操ることは出来ない。
ということは私が落ち込む＝雲がかかる、という解釈で大丈夫なのかな。
よし、ひとつ賢くなった。
「だから落ち込むな。笑え。」
『理不尽』
「……騒がしい人達ね。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 250人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
