こんぺいとう ページ16
『こんぺいとう……！』
夕日が差し掛かっているナノハナを相も変わらずテクテクと歩いていると、ふと一つのお店に視線が行ってしまった。
私が注目したそのお店には、大好きなこんぺいとうが並んでいた。
いらっしゃい、いらっしゃいとお店のおじさんが客引きをしている声が私の耳に届き、ますます食べたくなってくる。
私はゴクリと生唾を飲み込んだ。
お父さんは私の視線の先にこんぺいとうがある事に気がついていたらしく、私に声をかける。
「なんだ、あれが気になんのか？」
『う、うん……大好きなんだ。』
「……ふぅん」
塞がっていない方の拳をぎゅっと握ると我に帰った。
……お父さんは忙しいんだ。
こんな事言っても買ってくれる訳ないもんね。
私は無理やり笑顔を作り、別に気になってただけだから！とお父さんに告げてその場をすぐに立ち去ろうとする、が。
すぐに左手に違和感を感じた。
……先程まで人混みに紛れないようにしっかりと握っていたお父さんの手の、ゴツゴツとした感触がない。
『え、お父さんどこ！？』
私はいつの間にかはぐれてしまったのか、と心配になって辺りをキョロキョロと見渡す……が、すぐに見つかった。
……だけど、お父さんが居た場所は、さっきまで私がじっと見つめていたお店の方向だった。
『おと、お父さん？』
私の声が届いていないのか、もしくは私の声を無視しているのか……お父さんは私の声を無視してずんずんとお店に近づいていく。
その途端に周りで買い物をしていたお客さんもお父さんの姿を見ると目を見開いてすぐに横へ避けていく。
まるでモーセが海を割るように、次々とお父さんの進む道を切り開いていた。
「……あら、何事かしら？」
『ろ、ロビンさぁん……！お父さんが……』
少し先を行っていたロビンさんも異変に気が付いたらしく、私の元へ駆け寄ってきて状況を把握する。
でも、正直言ってお父さんが何をしたいのか、私にはまるで分からなかった。
やがてお父さんはそのお店のおじさんの前に立ち塞がった。
おじさんの顔は客引きしていた時とは大違いで、これから殺されるんじゃないかというようなひきつった顔をしている。
そして、お父さんにいらっしゃいませ、と小さく弱々しい言葉で呟いた。
お父さんは周りの反応を見て、困ったなという表情をしながらポツリとこう呟いた。
「あー……その金平糖を一つ。何ベリーだ？」
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
