周りの視線 ページ14
私がお父さんに煙草について聞いた後、すぐ後ろから話し声が聞こえてきた。
ふと気になって声のする方向に顔を向けると、そこには男女数名……いや、数十名の集団が私とお父さんを不思議そうな顔でみつめながら隣の人とヒソヒソ話していた。
「ねえ、あれって……」
「そうよ、間違いないわ。」
「アラバスタの英雄クロコダイルさんじゃないか……一体どうしてこんなところに。」
「それに隣にいるみすぼらしい子供は誰なんだ？クロコダイルさんの子供か？」
みすぼらしい子供……
それって私の事なんだよね。
着ている服を一瞥してみると、木の枝に引っかかってしまったのかスカートの丈はボロボロにやぶけ、シャツの部分には土がべっとりとこびりついている。
おまけに髪もボサボサ。
……これじゃあみすぼらしいって言われてもおかしくないよね。
汚れが目立たない色の服だったから今まで気がつかなかったけど、ほふく前進の時にだいぶ汚しちゃったのか。
私は手で服についた土をはらおうとするけど、どうもこびりついているようで全く取れない。
……この服、お気に入りだったのにな。
はぁ、とため息をつくと左上からチッと舌打ちをする音が聞こえてきた。
顔を見上げてみると、不機嫌な顔をしたお父さんがヒソヒソと話している人達をじっと睨み付けていた。
「……ったく。早く行くぞ、A。」
『あ……待って!!!』
私は大きなお父さんの背中を追う。
息をきらしてようやく追い付くと、お父さんが右手を私の目の前に差し出してくれた。
「お前はちっこいんだからすぐに迷子になるだろ？」
確かに、ここは人通りが激しい。
子供扱いされるのはちょっと恥ずかしいけど、お父さんの手を握っていないと人混みに押されてはぐれてしまうかもしれないよね。
私は差し出された手に恐る恐る触れてみる。
男の人特有のゴツゴツした手のひらの感触が私に伝い、そのままぎゅっと手を握ろうとする……が、ふと思い出した。
そういえば、お父さんの右手って水を吸収する能力があるんだよね。
「心配しなくても大丈夫だ。別に俺はお前を枯らしたりなんてしねェよ。」
『……うん、知ってるよ。』
私がぼそりとそう呟くと、ぽかんと呆気に取られたような表情をするお父さん。
だけどすぐにどういう意味だ？と言葉を続ける。
私はお父さんの言葉に被せてこう言った。
『……私、お父さんを信頼してるから。』
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
