アラバスタ ページ13
長い船路もまもなく終えて、船の向こうに見える島はアラバスタ！
知らない島にもうすぐ到着するんだとワクワクしながら船ではしゃぎ回る。
するとお父さんにうるせェと言われ、ひょいと体を持ち上げられたと思うと、あぐらをかいているお父さんの膝の中に体をぽすんと入れられてしまった。
じたばたしても両手を私の体の前で組んでいるため抵抗しても無駄らしく、アラバスタに到着するまで私はそのままの体勢でじっと待つことしか出来ない。
……私ってこんなに無力なんだなぁ。
抵抗するのを半場諦めて、落ちていく夕日をぼーっと眺めながらアラバスタに着くのを待っていると、急にお父さんが話しかけてきた。
「……そういえば、お前は何故あの島にいたんだ？」
急な質問にビクリと肩を震わせる。
冷や汗が頬を伝うのがわかった。
『それは……。』
心臓がうるさい。
眉間にシワを寄せ、自分の心臓に両手を持っていき、服をギュッとにぎった。
「……別に無理して話さなくてもいい。誰にだって話したくないことの一つや二つはあるんだからな。」
『……あり、がとう。』
その途端、心はすっと開放され心臓のバクバクもゆっくりと収まってきた。
今は、お父さんにこの事は言えない。
もし、万が一この事を言ってしまったら……
私は……お父さんに見捨てられる。
そんな事を考えていると、船がギィッと揺れて若干前にバランスを崩す。
だけど、お父さんの膝に収まっていたのでなんとかなった。
「アラバスタに到着したわ。」
その言葉を聞いて私はお父さんの膝から離れると、ピョンと船から飛び降り、アラバスタへの第一歩を踏みしめた。
『はじめのい〜っぽ！』
「ケッ、考えることがガキだな。」
やれやれと言いながらお父さんも船からゆっくりと降りてきた。
ポケットから煙草を取り出して咥え、ライターで火をつける。
私はその光景をまじまじと眺めていた。
「……なんだ。そんなにコレが気になんのか？」
『……それって美味しいの？』
私の周りの大人達はよく煙草を吸っていた。
食べ物じゃないのに美味しい美味しいと言って吸っていた大人達の気持ちが私にはよく分からない。
だって、煙草は体に悪いんだよ？
「クハハハッ！お前みたいなガキは煙草のよさは分からねェだろうなぁ。また10年後出直してこい。」
煙草ってそんなにいいものなのかなぁ。
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清雅。(プロフ) - あめ。さん» ありがとうございます!!!お父さん感のある鰐さんを表現するのにかなり苦労したので、そう言ってくださるととても嬉しいです！これからも体に気をつけて更新していきます！ (2019年9月25日 23時) (
レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
あめ。 - 意外と鰐さんがちゃんとお父さんしてて笑いましたw面白いですね！体に気をつけて頑張ってください！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 889e95be0e (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - マリン さん» ありがとうございます!!!更新頑張ります(*^-^) (2019年9月7日 18時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
マリン - 初めまして！面白いです！更新頑張ってください！ (2019年9月7日 9時) (レス) id: 6f6628a406 (このIDを非表示/違反報告)
清雅。(プロフ) - 夏ノさん» ありがとうございます！最近忙しくて更新出来ない時もありますが、出来る限り頑張っていこうと思います!!! (2019年9月1日 22時) (レス) id: 54a20fa017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：清雅。 | 作成日時：2019年8月10日 2時
