第二十四話 ページ24
｢青原さんと、その…そういうことしたって先生が言ってたから、その時期契約した悪魔じゃないのかな…｣
｢…そういう事か。青原さんって、デビルハンター部入ってた子だよね、亡くなった。｣
｢あのセンセーってそっち系だったのかよ｣
僅かに言い淀んだが、年頃の男子二人は一瞬で理解したようだ。
｢このリボンも、化学準備室から出てきたから間違いないと思う｣
手に持ったリボンを裏っ返してかざせば、彼らは覗き込み『青原』と記された滲んだ文字を見た。
｢…それ、どうするの？｣と吉田君は問う。
｢明日告別式に行くので、その時遺族の人に渡します。｣
私は手に持っていたリボンをカバンの中に仕舞いながら答えた。
｢そうだ、御香典｣
ふと思った言葉が口から零れる。
私に参加するように頼んで来た赤西さんや、先生からも預かった記憶はない。
｢オコーデン？｣と、デンジ君は鉗子の件と同様に聞き返すので｢お葬式とかで、会場に着いたら遺族に渡すお金のことだよ｣と答えた。
｢やけに詳しいね｣
少し感心した様子で吉田君は言った。
｢両親の葬儀が最近だったんです。西部にある区に悪魔が来て…｣
そう答えると、彼は何かを思い出したかのように目を開いたが、また落ち着いた様子で｢そっか｣と一言。その一瞬、彼はデンジ君へちらりと目線を配った気がした。
｢西部って、あー確か最近避難区域だった所か｣とデンジ君。
｢うん。そしたら｣
そしたら、チェンソーマンが来て、家族をめちゃくちゃにしたんだ。
そう言おうとしたが、口を固く結んだ。
デンジ君はチェンソーマンのファンなのだ。こんなこと、きっと信じて貰えないだろう。
｢香典。明日登校して、先生から貰えば良いと思うよ｣
言葉を詰まらせる私に気を利かせたのか、吉田君は穏やかな声で言った。抱いていた緊張が、少し解けたのを感じる。
｢解決したし、帰ろうぜ｣
｢あっ、うん｣
靴を履き替えたのを確認し、デンジ君は歩いていく。
その後ろを慌てて追いかけるが、また吉田君の方へと振り返り｢本当に色々ありがとうございました｣と頭を下げた。
｢いいえ、次は気を付けてね｣
玄関から風と共に入ってた枯葉が、カサカサと乾いた音を立てる。
｢その時は俺じゃないオッカナイのが助けに来ちゃうかもだから。｣
吉田くんは、またちらりとデンジ君を見たような気がした。
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不束者 - 続きが楽しみです！ (2023年1月13日 11時) (
レス) id: be5aa01d07 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - 最高ですにゃ、、、 (2022年12月16日 7時) (レス) @page28 id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
のんのんた(プロフ) - レイさん» ふっふっふ…( ΦωΦ ) お楽しみですね…ふっふっふっふ… (2022年11月29日 19時) (レス) @page27 id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
レイ - もしかして第2話のチェンソーマンって偽物か、、、、？と予想。あ、すんません急に、、、めっちゃ面白く読ませてもらってます。 (2022年11月29日 0時) (レス) id: 5efbcb8518 (このIDを非表示/違反報告)
のんのんた(プロフ) - 時雨さん» デンジ君は基本犬みたいにチョロくて可愛いイメージがあるので、私の解釈で土下座まで持ち込んでみました(´∇`) 夢主ちゃまとデンジ君の絡みはこれからドンドン親密にする予定です！お楽しみにしてください！🫶🏻 (2022年11月25日 19時) (レス) id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんのんた | 作成日時：2022年11月16日 0時
