【男主】主 役 と 悪 役【wrwrd】

#3 試験(第一) ページ3

ー貴方sideー


『うぅ……』

ri｢だ、大丈夫か……？｣


宿は嫌いだ
ベッドが自分に合わないと徹底的に眠れない
ただいま絶賛、体調不良である

しかし、多少の不手際
仕事をサボることは許されない


『大丈夫……』

ri｢無理すんなよ｣

『うん……』

----------------------------------------


別に最初は言わなくてもいいよね

簡単に説明すると……

第三試験まであり、第一はまぁ……鬼ごっこのようなもの
第二はバトロワ、第三は……１VS１
第一で落ちたやつは、その場で即脱落

統治者が総統ということもあってか、鬼やる奴が結構強いらしい


ri｢気、抜くなよ｣

『分かってる』

--------------------

〜第一試験〜


ﾋﾟｰｯ

開始の合図と共に、兄と駆け出す


ri｢木の上で様子を見よう｣

『……了解』


囲むように植え付けられた木に飛び乗り様子を伺う
数分後。鬼は解き放たれ、脱落者の数字は動き出した


『さすが我々国軍……』

？｢せやろ？｣

ri｢ｯ……！？｣


どうやら鬼が来たようだ
しかし、やることは一つ


『逃げるよ！』

ri｢あ、おう！｣


何故か聞こえる銃声と
微かに香る鉄の匂い

例えるなら……戦場そのもの


『武器あり……か』

ri｢A……、どうする｣

？｢お前ら、協力しとんのかー｣


後ろに着いてくるこの緑パーカーもどうにかしなければ
しかも腰にあるのは二丁の拳銃と……投げナイフ

……仕方ない


『兄貴、ちょっと先行ってて』


兄が落ちるのは最大戦力を失うのと同じ


ri｢お前は｣

『大丈夫』

ri｢……すまんｯ｣


二手に分かれる
後ろのアイツが狙ってるのは目線的に俺
このまま巻き込んでは、足でまといだ


？｢あいつ、お前捨てたぞw｣

『……』


行けるか……？


『……ｯ』


足でブレーキをかけ、後ろに飛ぶ


？｢お｣


ついでに腰から投げナイフを抜き取り、男の足付近に突き刺した

目は必ず動いているものを捉える
そのため俺から目線を外したパーカー
ナイフを見たその目に、俺が映ることは無い

……あとは逃げるだけ

いつしか父に教えて貰った戦法だ


？｢あー、すごいなぁ。あの子……｣


その呟きは俺の耳に届くことは無かった

----------------------------------------


ri｢A｣

『……ただいま』

ri｢さすが｣

『……ありがとう』


〜第一試験突破〜

#4 試験(第二)→←#2 任務

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す