【男主】主 役 と 悪 役【wrwrd】

#16 仕事 ページ16

ーしんぺい神sideー

あまり医務室に来る人は少なくない
でも今日は……


sn｢……｣


少ないみたいだ
というか居ない
つまり今日はゆっくり出来る……！？


ﾊﾞｧﾝ


と思っていた時期が俺にもありました


sn｢ど、どしたの｣
kn｢侵入者や、ペ神！！気をつけろ！！！｣


ﾊﾞﾀﾝ


……え、それだけ？

やだな〜、もう
久しぶりにゆっくり出来ると思ったのに
椅子から立ち上がろうとした、その時だった
不意に窓が割られ、何かが飛んでくる
避けようとしたのもつかの間
誰かが、庇うように俺の前を遮ったのだ


『い"……』

sn｢A君……ｯ！？｣
ri｢A！！｣


リンドウ君はA君を追いかけてきた
その光景を見て、顔が真っ青
まるで絶望したかのような……


ri｢あ"ァァァ……！！｣


リンドウ君が銃に手をかける
しかし、先に撃ったのは


『ウザイ』


_______________A君だった


彼は容赦なく片手で撃ち、銃を投げた
それは侵入者の頭に当たり、侵入者は気を失った

……あ、銃投げるって新しいね


『……ｯて』

ri｢はい、こちらリンドウです……侵入者、気絶しました。医務室です……はい。怪我人？怪我人は……｣

『いない』

sn｢え？｣

『いないって言って』

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ー貴方sideー

ただでさえ面倒臭いのに
あのスパイ、勝手なことしやがって

あれは俺らの国のスパイ
早とちりが仇となったらしい

……殺さなきゃ

裏切りが怖いから

ゆっくりと屈み、銃を取る
それをスパイの額に当てた


『……足引っ張んな』


小さくそう呟き、俺は引き金を引いた


ﾊﾟｧﾝ


乾いた音が部屋に響く
てか、庇ったときの腕が痛い


『俺、部屋戻る』

sn｢ダメ｣

『……』

sn｢軍医の前で怪我無視しようとかいい度胸してんな｣


そっか……ここは、"医務室"か
医務室で人亡くなるって縁起悪いけど


ri｢……俺やっぱ報告言ってくるな｣

sn｢はい、腕見して｣

『ん』


大人しく腕を差し出す
彼は優しく包帯等で手当し、俺の額にデコピンした

……仕方ないじゃん

だって、仕事だし


『……痛いです』

sn｢これに懲りたら無茶しないこと｣

『……してない』


だんだんと反論が子供っぽくなっていく


sn｢ちゃんと自分、大切にしなきゃ｣

『仕事ですから』

sn｢……だめ｣


優しく腕をなぞる


sn｢A君は、もう俺らの仲間なんだから｣

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