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「本日の古典魔法の勉強はここまで。
明日までに今日の勉強に登場した魔法倫理学における言語哲学の教本を50ページ予習しておく事。

では、次の魔法薬学の勉強の時間まで1時間自習にします。」



「はい、お母様」



「お母様は少し用事があるから、また1時間後にね」





気付いたら場面は変わっていた。

机に向かう小柄な少年と、何冊もの分厚い本。
彼の表情は心做しか先程よりも冷たくなっていた。





【分刻みで詰め込まれるありとあらゆる学問】



【出来なければ出来るまで延長される学習時間】



【でも、これがボクの『普通』だった】





────コンコン



「……窓を誰かがノックしてる?」



「わ、出てきた!」



「なーなー、一緒にあーそーぼ!」





彼と一緒に窓を覗いてみたら、そこには緑色の髪の少年と猫耳の生えた少年が居た。

彼らを見た瞬間、少し安心した。
母親に縛られた小さな少年にも、安息の時間が訪れるかもしれない。





「君たちはだれ?」



「俺はチェーニャ!こっちはトレイ。
一緒にクロッケーしようよ」



「え…………無理だよ。今は自習時間なんだ。勉強しなきゃ」





しなくてもいい。

遊んでいいんだよ。

もう充分、頑張ってるじゃん。


彼らがきっと、言ってくれるはず。





「自習って、何を勉強するか自分で決めていいがね。
遊ぶのも勉強、ってじーちゃんが言ってたにゃあ」



「少しだけ、降りてこない?」



「……………………ちょ、ちょっとだけ、なら」





彼らがいなければ、この子は今すぐにでも壊れてしまっていたかもしれない。


良かったね。


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夏美(プロフ) - レオナの嫁さん» ありがとうこざいます!!(号泣) (2022年10月12日 6時) (レス) id: 585ae669d5 (このIDを非表示/違反報告)
レオナの嫁(プロフ) - 受験生は忙しいですよね💦ゆっくり更新していってくださいね。待ってます😁 (2022年10月11日 22時) (レス) @page23 id: 5c31e1afd7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏実 | 作成日時:2022年5月16日 16時

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