▼好きと伝えた日▼名前変換オリジナル

10話 ページ10

あれから近くの水辺のある公園に行ったが、4月は水がまだ出ていなかった。

しかし、颯斗を滑り台みたいなところから落としたり、颯斗のスマホ(新品)が危うく割れかけたりと、とても楽しかった。
……全て颯斗関係なのは気のせいだと思う。


それまでは楽しかった。
とても。


　私の気分がグッと下がったのは、水分補給の為に少し休憩をすることになった時だった。

　最初は目の前で手を繋ぎながら歩くカップルを見て、中学ではカップル増えるんだろうなーっていう話題からなって。
颯斗がその話で思い出したのか、徐に話始めた。


「そういえば、晴ってずっと好きだった子、中学で一緒になるって言ってたよね?」


その一言で私の動きが止まった。
颯斗と晴以外の音が消えたように感じた。

……なんて言ったの?
晴の……ずっと好きだった……子?


「おま、馬鹿!」


「だって、ずっと前言ってたじゃん。ほら、実久留のことでからかわれてた時に。
俺、ずっと前から好きだったヤツいるし!って」


無意識に晴の顔を見ると、ほんのり頬が赤く染まっていて。
その子が好きなんだな、と思うしかなかった。


そして、その後の話は全く聞いていなく、気付けばその話は終わっていた。


＿ ＿ ＿ ＿



「じゃあまた今度ね!」


　夕日が眩しい時間帯になり、帰る方向の違う颯斗と夏菜が笑顔で手を振っている。


「うん、また今度ー」


　私もそう言って、手を軽く振り返す。
……上手く笑えているだろうか。
顔、ひきつっていたら嫌だな。


「俺達も帰るか」


「うん」

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