33話 ページ33
「おー景色綺麗」
「わっ本当だ」
どうして。
どうしてこんな状況になったのだろうか。
目の前には麻奈ちゃんと雅が楽しそうに座っていて、景色の話をしている。
一方、私の隣には晴がいて、私が最善を尽くして離れようとしても、肩が触れる程の近さ。
少しでも気を緩めると、思いっきり肩と肩が触れてしまう。
何故離れられないかと言うと＿＿ここがゴンドラの中だから。
事は数十分前に遡る。
私達の計画は順調に進み、見事麻奈ちゃんと雅を二人きりでまわらせることに成功した。
途中二人と鉢合わせかけて、二人で全力で真反対に走ったことは忘れられない。
そのあとは集合して少し喋っていたのだが、唐突に雅がアトラクションに乗りたいと言いだした。
実はこの動物園、遊園地程では無いがアトラクションが多数ある。
この年齢になると、普段ならば人目を気にして出来ないから人が居ないうちに……とお願いされ、私達は渋々承諾した。
しかし雅は一人は虚しいからと言い、麻奈ちゃんを引っ張り強制的にアトラクションへ。
そのまま何回か連れ回された彼女の顔は、般若同然の顔だった。
このままではいけないと、本能で悟った私達は観覧車ならと一緒に乗ることにしたのだが……。
まさか晴と隣にされるなんて、思いもしなかった。
しかも思ったよりもゴンドラが小さい。
先程から必死に肩をすくめているが、観覧車はまだ半分も回っていない。
このままでは私の肩周辺の筋肉がお亡くなりにってしまう。
「ねぇなんでそんなに肩すくめてるの?」
隣から聞こえた晴の声に反射的にビクッと肩を揺らし、直後その質問が予想外過ぎて、一瞬硬直してしまう。
触れないようにしなきゃと思っていたけれど、私は何故そう思い込んでいたのだろうか。
「いや……ぶつかったら迷惑だよなぁって思って」
自分でもよく分からないから、そう答えると晴は小さく「別に気にしないから、楽にしてていいのに」と呟く。
それでも私は何も言わずに肩をすくめたままでいた。
そんな私を見てか、晴はぶっきらぼうにこう言った。
「俺とぶつかるの、そんなに嫌なんだ」
どんな表情をしているのかは分からない。
けれど、そんなこと言われたら、否定するしかないじゃないか。
私は何も言わず肩の力を抜き、外の景色を眺めるようにそっぽを向く。
「……そんなことないです」
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フルーツちょこ(プロフ) - コノハ【心葉】さん» ありがとうございます。本日全話修正をして誤字脱字や、文章の訂正をしましたので、もう一度読んでくださると嬉しいです。 (2018年11月30日 19時) (
レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ【心葉】 - 楽しみです！ (2018年11月30日 18時) (レス) id: 17d56b6dae (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 水瀬さん» 楽しみと言っていただけてありがとうございます。私も更新頑張りますので、これからの物語もどうぞお楽しみに下さい。 (2018年10月23日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬(プロフ) - お話とても面白いです！続きもすごく楽しみになりました！更新頑張ってくださいね！ (2018年10月20日 16時) (レス) id: db4b643399 (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 抹茶モナカさん» 応援のメッセージありがとうございます。最近学業が忙しいため、更新をあまり出来ていませんが、近いうちにもう一話更新したいと思います。コメントありがとうございました。 (2018年10月12日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みくるみちょこ | 作成日時：2018年6月3日 20時
