29話 ページ29
［おーい麻奈ちゃんー?
時間だよー?］
［もしかしてまだ寝てる?
約束忘れてるのー?］
今日は文化祭の振り返り休日で、時刻は午前10時すぎ。
丁度10時から、麻奈ちゃんとその友達二人と遊ぶことになっている…のだが。
「……全く既読がつかない」
もしかして本当に寝ているのでは無いかと、不安が積み重なっていく。
普段なら音速並みに早く既読つくのに。
というか他二人も来ないんだけど。
私誰だか知らされてないから、連絡のしようがないし。
まさかハブられては無いだろうかと更に不安にもなる中、あともう少し待って、誰も来なかったら麻奈ちゃんの家に行こう、と思った途端。
「えっと実久留……かな?」
後ろから聞き慣れない低い声で名前を呼ばれ、心臓が跳ね上がった。
思わずバッと振り返るとそこには、見覚えのある色黒の男子。
多分同級生なのだが、生憎全く思い出せない。
見覚えがあるだけ。
「え、あぁはい実久留ですけど……?えと貴方は……」
戸惑いながらも返事をし、名前を思い出そうと必死で頭の中を探すが、何処で見かけたかさえも分からない。
確か同じクラスではないと思うんだけど……。
やはり中学になっても、この記憶力は治らなかった。
自分の興味のあるものにしか記憶力を使わず、人の名前や数字を覚えるのは凄く下手くそで、いつも名前を覚えらない。
そのせいで何回クラスメイトに苦笑いをされたことか。
結局思い出せずに、見覚えのある彼に素直に謝ることにした。
「あー……ごめん。見覚えはあるんだけど、名前思い出せないや。他クラスだよね?」
そう私が言うと彼はクスッと笑い、そうだよと言う。
何が可笑しかったのかは私には理解できなかったが、そのまま彼の言葉を黙って聞くことにした。
「んー武田晴の友達って言えば思い出してくれる?」
突然の晴というワードで思わず胸が高鳴る中、私の脳内に目の前の彼が映った。
3組が移動教室の時に晴と一緒に行動している人だ。
ついでにテニス部だったような気がする。
そこまでは良かったのだが、名前が思い出せず、思いだそう、思い出そうと思う度に頭がこんがらがっていく。
というか、何でこんなに必死になって思い出してるんだ、とも思い始めていた。
ついに全く思い出せないことに諦めがつき、口を開きかけた時。
「えっ実久留?」
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フルーツちょこ(プロフ) - コノハ【心葉】さん» ありがとうございます。本日全話修正をして誤字脱字や、文章の訂正をしましたので、もう一度読んでくださると嬉しいです。 (2018年11月30日 19時) (
レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ【心葉】 - 楽しみです！ (2018年11月30日 18時) (レス) id: 17d56b6dae (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 水瀬さん» 楽しみと言っていただけてありがとうございます。私も更新頑張りますので、これからの物語もどうぞお楽しみに下さい。 (2018年10月23日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬(プロフ) - お話とても面白いです！続きもすごく楽しみになりました！更新頑張ってくださいね！ (2018年10月20日 16時) (レス) id: db4b643399 (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 抹茶モナカさん» 応援のメッセージありがとうございます。最近学業が忙しいため、更新をあまり出来ていませんが、近いうちにもう一話更新したいと思います。コメントありがとうございました。 (2018年10月12日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みくるみちょこ | 作成日時：2018年6月3日 20時
