28話 ページ28
先日麻奈ちゃんに晴の想いがバレてしまってからというものの。
私達の下校時間は晴の話で持ちきりになっていた。
「え、じゃあ四年間も片想いしてるってこと?!」
私が晴の話をする度に、随分と麻奈ちゃんがイキイキして見えるのは気のせいだろうか。
そう思いもしながら、私は小さく返事をする。
「まぁ……そうなるかな」
「二次元大好きな実久留をそんなに長い間惚れさせる武田くん……脅威的過ぎる」
それからブツブツと呟き続ける麻奈ちゃんを横目に、確かに二次元ラブなのによくこんなに続いてるなぁとか、思ったりもした。
別に特別頭が良いって訳でもないし、運動が得意でもない。
ただゲーム好きで身長が高くて、口が悪くて、性格も一般的に見ればかなり最悪な方で…。
でもその全部が大好きだった。
「実久留!」
「えっ?!あ、なんでしょう!!」
どうやら先程から何度も呼び掛けてくれていたらしく、返事をした途端重い溜め息をつかれてしまった。
ごめんと言う前に麻奈ちゃんが口を開く。
「なんであの日私に嘘までついて、武田くんと帰ったの?」
__やっぱそうなるよなぁ。
麻奈ちゃんには嘘をつけない。
自分で言うのもなかなか辛いものだったが、正直に言おうと少し顔を逸らしながら、私はこう言った。
「告白……しようと思ってね」
結局出来なかったけど、と乾いた笑みを浮かべてそう言うと、麻奈ちゃんはやってしまったと言わんばかりに、焦りの表情を漏らした。
ごめんと謝る彼女を背に、声を張り上げた。
「でも、もういいんだ。私が告白したところで、晴には私じゃない別の好きな人がいるんだし」
視界が滲みかける中、上を見上げるとオレンジ色の空が広がっていた。
あの日よりはオレンジじゃないな、ふとそう思ってしまった自分が嫌になる。
私はもう下手な真似はしない。
この現状が一番いいのだから。
麻奈ちゃんが何かを言っているが、私はそれを無理矢理終わらせようと、笑顔を浮かべる。
「はい、この話は終わり!あ、そうだ。今度一緒に遊ぼうよ麻奈ちゃん」
彼女の顔は何か言いたげだったけど。
私は知らないふりをした。
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フルーツちょこ(プロフ) - コノハ【心葉】さん» ありがとうございます。本日全話修正をして誤字脱字や、文章の訂正をしましたので、もう一度読んでくださると嬉しいです。 (2018年11月30日 19時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ【心葉】 - 楽しみです! (2018年11月30日 18時) (レス) id: 17d56b6dae (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 水瀬さん» 楽しみと言っていただけてありがとうございます。私も更新頑張りますので、これからの物語もどうぞお楽しみに下さい。 (2018年10月23日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬(プロフ) - お話とても面白いです!続きもすごく楽しみになりました!更新頑張ってくださいね! (2018年10月20日 16時) (レス) id: db4b643399 (このIDを非表示/違反報告)
フルーツちょこ(プロフ) - 抹茶モナカさん» 応援のメッセージありがとうございます。最近学業が忙しいため、更新をあまり出来ていませんが、近いうちにもう一話更新したいと思います。コメントありがとうございました。 (2018年10月12日 15時) (レス) id: fddb009284 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みくるみちょこ | 作成日時:2018年6月3日 20時