▼好きと伝えた日▼名前変換オリジナル

2話 ページ2

朝食を食べ終わり、一通り朝の支度を終えた午前9時頃。

これから起こってしまう、クラス発表という現実から逃げるため、シューティングゲームをしていた。
　ようやくボス戦に入ったところで、ピロン、とスマホの通知音が響く。LIMEだ。
　ゲームを中断することなく、一瞬の隙を見て視線をスマホへと誘導する。
晴と言う文字が見え、速攻でゲームの中断ボタンを押す。

　つい3日前、幼馴染と私、晴で遊んだ帰り道、LIME交換したのだが、全く……いや、一切連絡を取り合っていなかった。
　理由は簡単。晴がお母さんのスマホでLIMEをしている為である。あまりLIMEをすると、お母さんに迷惑な為やっていなかったのだ。
　……私が文面での会話が下手くそっていうのもあるけど。

　初めてのLIMEでの会話に胸を高鳴らせながら、スマホを手に取って画面をよく見る。


［今日のクラス発表、誰かと行ったりする?］


　………？？
えと、これは……もしかして。


お誘いされている……?


　いや勘違いするな、深く考えるな、落ち着け。
誘われてなかった場合の心のダメージが大変なことになるぞ、私。自惚れるな、自惚れるな。
落ち着いて無心で画面をタップするんだ、と自分に言い聞かせる。


［ううん、ボッチっすね］


　たったこれだけの言葉を何度も何度も見返して、ようやく送信をタップする。
メッセージが表示されるのと同時に既読が付き、また心臓が跳ねた。

そして数十秒も経たないうちに、ポッと音をたてて返事は来た。
打つの早い、そう思いながらもメッセージに目を通す。


［俺もボッチ
一緒に見に行こー］


本当は声を出して喜びたいところだけど、心の中だけで喜びを噛み締める。。
家族に勘づかれたら面倒だもの。我慢、我慢。

　浮かれていたお陰なのか、さっきよりも時間を掛けずに、送信することが出来た。


［オッケー
10時からでいいよね?］

［おけおけ
じゃあ、中学校門前でー］


　スマホの電源を落とし、無言でベッドに倒れこむと同時に口から、はぁ……と声が漏れる。
9:17分と表示された電子時計を、横目で確認して、もう一度はぁ……、と声を漏らす。

早く10時にならないかな、と思ってしまうのは、ワガママなのだろうか。

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