お兄ちゃん 6【東京リベンジャーズ】 (ページ9)

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第248話ページ9

いつもの佐野くんがそこにいた。

万「どうした？オマエら。楽しめよ！！祭り(ケンカ)だぜ！？」

いつもの、変わらない君が、私の目の前にいた。

イ「嗚呼…耳鳴りが始まった。どんなトリックを使ったか知らねぇけど計画が狂っちまったなぁ？稀咲」

途端、黒川さんは佐野くん目掛けて飛び出した。

『佐野くん！！』

万「っ！」

林「マイキー！！」

場「速ぇ！！」

勢いのある蹴りは佐野くんを飛ばした。

イ「真一郎を亡くし、エマを“亡くし”、どうだ？空虚になった気分は？」

万「この際言っとっけど、エマは死んでねぇ。ちゃんと生きてる。

…ここでカタをつけようぜ、兄貴(イザナ)」

エマちゃん、生きてる…？

それは本当…？

左手を犠牲にして、1つの命が救えた…？

『良かったっ…』

安心するとまた涙が出る

ドッ

黒川さんと、佐野くんの喧嘩が始まる。

だけど、私はそれを見る余裕が無いぐらい糸が切れたように身体の力が抜けた。

でもすぐ私の耳に残る佐野くんの声が聞こえる。

万「一つ聞かせろ。なんで、妹を殺そうとした？」

イ「…だいたいなんであいつは死ななかった？金属バットでフルスイング。誰だって頭は致命的な場所だろ？」

万「…Aが命懸けで守ってくれた。だから俺はここに来ることが出来た。」

イ「はぁ？Aが？」

『っ…』

ビビった私は思わず顔を逸らしてしまった。

ちらっと私の方を見て睨んだ後、また佐野くんの方へと向き直る。

イ「マイキー、俺の秘密を教えてやる。

真一郎は俺の思う“理想の兄”になってくれなかった。そしてお前の部下が殺しちゃった…だから決めたんだ。

俺はお前を“灰”にして“真一郎”にする。」

『…何、それ……』

言っている意味がわからなかった。

佐野くんは物じゃないっ…

1人の人間であって…誰かにするってことは出来ないっ…！

イ「だから早く空っぽになれよ」

万「だからって殺す理由にはなんねぇだろ。」

ドッ

ズザァァ

『佐野くんっ…！！』

強い。

ただその一言に過ぎなかった。

イ「お前が全てを奪ったんだよ万次郎！！

だから俺はお前だけでも殺す。」

佐野くん…負けないで……