お兄ちゃん 6【東京リベンジャーズ】 (ページ38)

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第277話ページ38

竜「……生きる価値を教えたらお前は死なないって約束できるのか？」

『教えられてもっ…納得がいかなきゃ意味無いっ……』

我儘で面倒。

今の自分を言葉で表すならその言葉が1番似合っている。

けど、私は本気だ。

心配をかけないようにお父さんやお母さんの前では元気よくいい顔をしていた。

でも竜お兄ちゃんの前ではいい意味で気を遣わないで済む。

安心出来るの。

だから、こうやって言えるんだ。

『…今の私は面倒臭いかもしれないっ……

でも、本当に自分を見失ってしまったから全部どうでも良くなるのっ……』

迷惑かけてごめんなさい。

面倒臭くてごめんなさい。

我儘までごめんなさい。

何度も何度も竜お兄ちゃんに謝った。

竜「俺は、Aにはずっと笑っていて欲しいって思うよ。」

『っ…』

竜「俺も、兄ちゃんも。Aには散々な思いをさせた。

お互い様ってこと。何なら妹なんだから全然迷惑かけてもらわなきゃこっちが困るって話。」

口を開いた竜お兄ちゃんは眉を下げ、綺麗な瞳が私を捉える。

竜「生きる価値、か。……これは価値と言うよりも俺の願いってことになるんだけどさ、」

『……』

少し間を開けて竜お兄ちゃんは言った。

・

・

・

“高校入学して、無事に卒業すること。

俺らはちゃんと卒業とまではいかなかったからよ笑

……そんでそれでも、本当の自分が見つからなかったらその時はその時だ。

でも、時間をかけて考えてみてほしい。

Aには、ちゃんと支えてくれる人がいるってことも忘れずに。

辛くなったら、頼ったらいい。
誰も迷惑だなんて思わねぇ。

ちゃんと自分の想いを皆に伝えて、笑顔になってから東京(ここ)を出ろ。

でも、俺らとはここでバイバイ。

……それが、今の俺の願いだ。」”

竜お兄ちゃんがそう言ったとき、ちょうど面会時間が終わってしまった。

『…なんで、かなぁっ……』

今の感情はぐちゃぐちゃ。

余計にわからなくなってしまった。

逃げるために高校を遠い所へと選んだ。

傷つかないために佐野くんを放した。

バレないために稀咲さんの言いなりになっていた。

……でも、今思えば私は自分のためにしか行動できていないやつなんだなって。