言葉で紡いだ未来【MHA】 (ページ4)

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推薦ページ4

「言吹〜、お前英雄高校から推薦掛かってるけどどうする？」

『……もちろん行きます』

「そ、じゃあ電話しとくな。にしても凄いぞ〜！この中学に雄英から推薦が来るなんてな！
一般試験を受ける人は多いだろうけど推薦はお前1人だけだわ！」

中学3年の秋から冬へと差し掛かる時期。

血の滲む努力をし続けること何年経ったのだろう。
でもその結果、見事雄英高校からの推薦が掛かってきた。

もし仮に掛かってこなくても一般を受ける予定だった。
学力にも、個性技術にも申し分ないと言われたから。

『…雄英高校、推薦来た』

母「…そっか、良かった！頑張るのよ！」

『うん、』

お母さんは基本私のやることに口を出すことはなく、不自由のない生活を送らせてくれた。
反抗期で口を聞かなかった日も怒らずに雄英高校を目指す私を応援してくれて。

『……今更遅いかもしれないけど、迷惑かけた分、絶対お母さんとお父さんに恩返しする、頑張るから。』

母「なーに照れくさいこと言ってんの！雄英の推薦が掛かったのは全部Aの努力の内！

いいのよ別に。お母さん、小さい頃はずっとAの傍にいれなかったからね。これぐらい当たり前って思っておきなさい！」

『…うん、』

私は小さい頃、仕事ばかりだったお母さんのことがあまり好きではなかった。私が生まれる寸前まで仕事人間だったそう。

でもそれは全部私のためだったと、おじいちゃんは言ってた。

たくさん貯金をして、好きな高校、好きな大学、自由にのびのびとして欲しいからって。

“無個性”でもできることは沢山あるからって。

お父さんは動物と話せる個性を持ってて獣医の職に就いた。世界各地を巡る獣医の中では有名な人。

…今は単身赴任で家にいないけど。

だから小さい頃、おじいちゃんが親代わりとなってくれた。

母「よーし、今日はAの大好きなアップルパイでも焼こっかなー！」

『っ！…わ、私も手伝う！』

母「じゃあ2人で作ろっか！」

私自身が言葉で紡いだ未来はまだまだ先になるかもしれない。
けど、初めの第1歩、雄英高校からの推薦は大きく進めたような気がした。

母「あ。」

『？』

母「りんごがなかったんだった」

『えっ。』

おじいちゃんが亡くなっでも私は笑顔でいることが多かった。

吹っ切れた訳では無いけど、ヒーローになるためと言い聞かせたから。