灰谷くん。

past story ページ3

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普通のOLで、普通の女性。
繰り返しの毎日だ。退屈はしていた。

たまに、彼のことを思い出しては
元気にしてるかな、とか
今はなにをしてるんだろう、とか
そんなことばっかり考えてた。

小さい頃は児童養護施設に預けられたけど
高校進学と同時に親戚に引き取られた。

お父さん、お母さんと呼べる人はいなくて
ずっと寂しかった。
そんな時に助けてくれたのは彼だった。

しかしその彼も気づいたらいなくなっていた。

施設の人に聞いたら、
「あの子ならこの前
お父さんが引き取りに来られたわよ」
と言われた。

ついでに
「貴方も早く引き取ってもらえるといいわね」
なんて言われた。

名前すら覚えてもらっていない。
ここにいたら邪魔なんだ。

そう思ったことは今でも覚えている。

親戚に引き取られた時は嬉しかった。
でもそんなのは最初だけ。

「穢らわしい」
「貴方は私たちの子じゃないんだから」
「邪魔」

そんなことを言われ続けながら
毎日毎日泣きながら謝っていた。

高校でも毎日一人でお弁当。
誰も私のことなんて気がつかなかった。

慣れていたから別によかった。
変に同情されるよりずっとよかった。

何より私の心の中にはずっと彼がいた。


所謂、忘れられない初恋ってやつだ。




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