異世界の片割れと青【あかがみん】

希望 ページ32

【バステンside】


噴火により地面が割れ、今まさに落ちかけていた。

かろうじてshowさんが俺の腕を掴んでいる。

でも、時間の問題だろう。


し「ぐっ…なに、しとんのや…！はよっ…手ぇ伸ばさんかい！！」


バステンさん！と彼は叫んでいる。

でも…

でも、やっぱり……



バ「showさん…離してください」

showさんの息が一瞬止まる。

し「なんでや」

バ「俺、羽根すら避けずに諦めようとしたんですよ…みんなで無事に帰るって誓ったのに！
自分の意志で！最後までっ…諦めないと…！」


溢れ出した感情が止まらない。


バ「なのに俺っ…だから！見捨ててくれよ！！
…お願い……」



し「…言いたいことはそれだけか？」

バ「へっ…？」


showさんは大きく息を吸った。




し「こんの大馬鹿もんがああああああ！！！！！！！！」




バ「…は……？」





し「んなこた俺やってそうや！俺はな！なんでもこなすともさんに憧れとった！
バステンさんたちが来て、クミさんが一人で山賊をとっちめた話を聞いたときは！嫉妬したさ！」


“嫉妬”

それは力の差に嫉妬したということ。


し「でもな…あんた言うたんやろ？アイクさんに。」

バ「アイクさんに…？」

し「“ともさん達を呼べ。できれば俺を優先しろ”」

バ「！！」



バ『アイクさん、ともさん達を呼んで来て。できればshowさん優先！』

ア『はい！！』



し「俺はその指示をアイクさんから聞いて、嬉しかった。利用されてもええ、俺の力を信用してくれたなら。改めて俺が、俺の存在を認識したんや。

だから、さらに諦めようとすんなや！！！！」



バ「……ありがとう。そうだよな…まだ、希望はある！！！」

し「っ、も、少し…！」

バ「届け、ぇ…！！」


showさんの左腕と、俺の右腕。


仲間なんだから。信じなくてどうすんだ。



–––––



バ「なんとか、助かりましたね…w」

し「どっかの誰かさんが諦めようとするからや…お陰で腕外れたらどうすんねんw」

バ「ははっwその時はりんごでも剥いてあげますよw」

し「馬鹿にしてんな？」

バ「さっき俺に大馬鹿者って言ったお返しです〜」

し「なんやと！w」

バ「まあまあ。とりあえず、地上に上がるにはみんなが来ないといけない。彼らなら必ず助けに来る。のんびり待ちましょ？」


し「…せやな。…」



仲間を信じ、頼る。待つ。

忘れてはならないことを教えてくれた。

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