五十五皿目 ページ6
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『フハッ!やっぱ期待を裏切らないなぁお前は!!
最っ高だよほんと!!こうでなくっちゃなぁ!!
ああ、そう警戒しなくていいぞ。こいつを試しただけだからな。そんな対価で食戟なんてするわけないだろう。』
可笑しそうに笑いながら話すAにこちらの
緊張した空気が解れた。
『幸平はほんとに面白いな。断ったらどうしてやろうかと思ったが杞憂だったな。』
「……もし俺が断ったら何しようとしてました?」
「とりあえずお前の実家潰した後料理業界から
お前を追放するよう圧力掛けたかな。」
「何てことしようとしてんだあんた!!?」
『断った時点でお前に失望しただろうからな。
期待外れの料理人なんて要らない。』
「断っても断らなくても同じ内容のことされてたのかよ…」
『それでもお前は受けただろう?ちゃんと期待しただけある。それで、食戟だったか?流石に食戟はしてやらない、』
「いややってくんねぇのかよ」
『が。君の覚悟を讃え、君には私の料理を食べさせてやろう。私の最も得意とするフランス料理を。』
褒美だ。とにっこり可憐に笑う。
その言葉に驚いて彼女を見る。
「…貴方、フレンチが得意だったんですか?」
「フランスの血が入ってるからな。ついでに言っておくと、どんなジャンルの料理も作れるが君に作っていた和食は不慣れで一番作り慣れて無いんだ。料理にはフレンチから入ったからな。」
「……!!!あ、あれだけの味で…!!?」
あんな料理を作っておいて一番不慣れだと!?
どれだけの実力を持っているんだ彼女は!?
「食戟…」
「まだ言ってるのか君は!!先輩の料理が食べられるんだぞ!?世界トップクラスの料理人である彼女のフレンチを!!しかも遠月を辞めた今これから食べられる可能性は皆無なんだ!もっと喜んだらどうだ!?代われるなら代わってやりたいくらいだ!!!」
羨ましい!!!
と興奮が抑えられないのか幸平くんの肩を大きく揺さぶるタクミくんに、彼は酔う酔う!!と抵抗した。
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2022年2月28日 21時