八十三皿目 ページ34
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Aが透くん!見て見て!と甘い笑顔を浮かべながら、水槽の中を優雅に泳いでいる魚たちを指差す。
それに眩しいものでも見るかのように目を細めて、少し先にいる彼女に駆け寄った。
ーーーーーーーーーー
昼下がりのポアロ。
今日は土曜日で学校もお休みだが、僕に会いにAが
ポアロへやって来ていた。
そんな彼女に、久しぶりに会った萩原がちょっかいを掛けている。
「ねっ、だからAちゃん行こうよ一緒に!」
『や』
「そんなにべもなく!!」
「お前Aに嫌われてんじゃねぇの?」
「えっ!?!嫌われてんの俺!?」
そうなのAちゃん!?と松田の隣で騒いでいる萩原に、彼女はふぇ?と声を出した。
『特に嫌いじゃないよぉ?』
「なるほど好きでもないと。」
「ちょっっ、解釈の仕方でしょ!めっちゃ悪意
あるじゃん!」
「うるせぇな…」
『そーだよ、けんくんうるさぁい』
「なぁ?」
『うん』
「そこで結託しないでよ!」
3人が集まれば大抵萩原がからかわれるんだから、
いい加減学習すればいいのに。
ねー?と松田と意見を合わせていたAは、
それでぇ?と萩原に話しかける。
『何処に一緒に行くって話してたの〜?』
「ぶはっ…!お前聞いてすらなかったのかよ!」
『透くん見るのに忙しかったぁ。』
「話くらい聞いて!?」
『で、なに?』
「あ、急に切り替わるのね…、水族館のペアチケット貰ったんだけどさぁ、一緒に行く女の子がいないんだよね。Aちゃん俺とデートしない?」
『行く相手いないとかかわいそう…どっか適当に
女引っ掛ければいいんじゃない?』
「あのね、俺これでも警察官なの!そんなほいほい
ナンパとかできないからね!?」
『警察官じゃなかったらするんだぁ…』
「そんな引いた目で見ないで!?」
『まっつん、警察のお偉いさんにけんくんの警察官としての態度がなってないって言った方がいいかなぁ?』
「おう、言っとけ言っとけ。なんならお父さんに
お宅の娘さんナンパしてるってな。」
「それだけはやめてくださいお願いします!!」
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2022年2月28日 21時