七十六皿目 ページ27
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そんなゆったりとした午後の時間が流れる中__
カラン、とドアが開く。
店に入ってきた人物に、己の瞳孔が開くのが分かった。
「…いらっしゃい、コナンくん。そちらの方は知り合いかな?」
「うん!沖矢さんっていうんだ!」
「へぇ、そうかい。では、席はテーブルとカウンターどちらに致しますか?」
「カウンターで。」
そう言って赤井…沖矢昴はカウンター席の、
…彼女の右隣へ座った。その逆の左の席にコナンくんも座り、彼女を挟むような位置だ。
何故、沖矢昴がここに?何の目的でやってきた。
今は緋色光としてここに来ているヒロがいるのに。
目的はヒロか、僕か。
いや、ならわざわざ彼女の隣へ座った理由が分からない。
…まさか、彼女が目的だとでも言うのか?
「こんにちは、A姉ちゃん!」
『あれ、ドイル君。なんでここにいるの〜?』
「ここのご飯食べたくて!それに、お姉さんに
紹介したい人が居るんだ。」
「沖矢昴です。櫻坂Aさん、ですよね?
コナンくんからよく話を聞いていますよ。」
ドイルくん、と彼女独特のあだ名で呼ばれるコナンくんは、どうやら彼女が目的らしい。
沖矢昴はニコ、と人の良さそうな顔をして彼女の名前を呼ぶ。
が、彼女がそれに応える訳もなく。
『ドイル君って暇なんだねぇ。君友達いないの〜?
放課後とかって小学生なら外で遊ばない?最近の子どもって昔と違うのかなぁ?』
「え、いや僕にだって友達居るよ!今日は約束してないだけで…って、お姉さん!隣で昴さんがお姉さんに話しかけてるよ?」
『で?』
「え?」
『話しかけてるからなんなの?』
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作者名:瑠璃 | 作成日時:2022年2月28日 21時