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三十一皿目 ページ32

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彼女が頷いたのを見届けた後、Aはにっこり笑って
彼女から手を離した。




『約束だよっ?いくらえりーちゃんでも透くんのこと馬鹿にしたら死刑ね?』




まるでそこにあるものを取って、とでも話すような気軽さで冷酷な発言をする彼女に、さっきまでのひやりとする雰囲気は無い。



密かに息を吐き、元に戻った彼女へ先程の言葉を注意する。




「A、なんでそんなこと言うんですか。
駄目ですよそんなことを言っては。」



『えぇ〜〜…えりーちゃんが悪いんだもんっ!
透くんのこと馬鹿にするから!確かにAに喫茶店は似合わないけどっ!』



「いや貴方も馬鹿にしてるでしょほんとは。」




そんなことを言う口はこれですか。と柔らかい頬を
軽く摘む。



むぅ〜!と不満そうにする彼女はつん、と口を尖らせた。



そんなことしても可愛いだけなのに。




「……は?」




僕たちのやり取りを見た遠月の生徒は信じられないものを見るかのように目を見開いた。




「…どうゆうこと?貴方その店員のこと下の名前で呼んでるの!?」



『そだよ〜?』



「なんでだよ!?」



『透くんは透くんだもんっ』




有り得ない、と薙切さんどころか幸平君たちまで驚いている。



…そんなに彼女が誰かを下の名前で呼ぶのは珍しいんだろうか?


確かに彼女が僕以外をそう呼ぶところは見た事ないが。




「…それくらい彼の料理の腕が優れているということですか?」



『いやそれは無い。』




タクミくんの言葉を何の躊躇も無くばっさり切った彼女にグサリと胸に言葉の刃物が突き刺さる。




『いや確かに透くんは一般人からしたら料理上手だし、
並みのプロより腕は上だけど、十傑に比べれば別にってくらい。比べるまでもない。今日の料理も60点以下だし。』




彼女の言葉がグサグサと胸に刺さってるんだが彼女はそれに気付いてないんだろうか。…気付いてないんだろうなぁ。



むしろタクミくんの方が申し訳なさそうに僕を見ている。惨めになるからやめてくれ。



いや僕は普通なんだ。プロの料理人よりも実力が高い遠月の十傑が可笑しいんだ。





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設定タグ:名探偵コナン , 食戟のソーマ , 降谷零   
作品ジャンル:アニメ
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瑠璃(プロフ) - にこさん» すみません、どこの話数でしょうか? (2022年3月27日 23時) (レス) id: 880d6fe888 (このIDを非表示/違反報告)
にこ - 何故、安室さんの本名呼んでいるんだ? (2022年3月27日 18時) (レス) @page12 id: 98deb38477 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - 皇さん» ご感想ありがとうごさいます!これからも更新していきますので楽しんで読んでもらえたなら幸いです。 (2022年2月24日 20時) (レス) id: 880d6fe888 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!これからも更新楽しみにしています! (2022年2月24日 16時) (レス) @page38 id: 5e661ff29a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:瑠璃 | 作成日時:2022年2月19日 5時

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