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「はい、もう大丈夫?」
目が真っ赤になってしまった私のためにユウタさんはお湯で濡らしたハンドタオルを渡してくれた。
『ありがとうございます…』
「またテヨンのこと?それとも…帰りたくなっちゃった?」
私は何も言わずに首を振る。
「…うーん。」
ユウタさんはしばらく考えると
「じゃあ…あれか。恋?恋愛?」
『違います…』
「…言いたくないんやな。わかった。もうこれ以上は聞かない。だけど、ほんまに悩んでるんやったら気軽に言ってくれたらええから。前にも言ったやろ?Aちゃんの悪いところは全然俺に甘えてくれへんとこ。言いたくなったら言ってな。」
またユウタさんは笑顔で優しく私の頭を撫でた。
『なんでユウタさんは私なんかに優しくしてくれるんですか…』
「なんでって、俺はみんなに優しいで。」
『…あ、そうですね。』
「ふふ、嘘嘘。なんでやろな〜、Aちゃんは妹みたいやからかな?」
妹か…
私はユウタさんからしたら子供っぽいんだ。
『ユウタさんは好きな人はいないんですか?』
「え?おらんよ〜、今は練習してもっと1位取らんとあかんし。そんな恋愛してる暇ない。…ってカッコつけてるだけやけど。」
『凄いですよ!そんなユウタさんを尊敬します…』
「全然凄くないよ。」
『はぁ…だって私、ユウタさんに彼女が出来たら嫌です。』
「…え?」
『あ、いえ…何でもないです!忘れてください!』
あーもう!!
またやってしまった…
さっきまでユウタさんは顔色を1つも変えなかった。
私が変なことを言ってしまったのがいけなかったのか、少し真剣な顔になった。
「Aちゃん、もし悩んでることが俺なら…自惚れてるとか思われたら嫌やけど、もし俺が原因なら…ごめん。」
『…え?』
「好き…とかそういうのじゃなかったら悪いからあんまり言いたくないんやけど…ほんまごめん!そういうのじゃないよな。あーもう…俺、何言ってねん。」
『…もし私がユウタさんのことが好きだったらってことですよね?』
鈍感で馬鹿な私でもわかる。
ユウタさんは私の気持ちに気づいてたんだ。
だったらなんであんなに優しくするの…
まだ何も言ってないのに振られてしまった。
好きって言う前から…
「うん…ごめんな。」
なんで謝るの…
もうやめて…嫌だよ…
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ぷぅ(プロフ) - ぱくつぃさん» ぱくつぃさん、コメントありがとうございます!亀更新ですが頑張ります! (2018年1月25日 1時) (レス) id: 15b7e385b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱくつぃ - めっっっちゃおもろいです!!早く読みたいです!!更新お願いします!!! (2018年1月24日 17時) (レス) id: 9467b16ac1 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - あゆさん» あゆさん、ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年1月21日 17時) (レス) id: 15b7e385b8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - とてもおもしろいです!続き楽しみにしてます(*´˘`*) (2018年1月19日 19時) (レス) id: 3f60a908f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷぅ | 作成日時:2018年1月5日 21時