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半年が過ぎて段々この仕事にも環境にも慣れてきた時期だった。
いつものようにお家の鍵を開ける。
ワイワイ騒ぐ声が聞こえる。
え、人がいる。
いつもはこんなに人いないのに。
もしかして出勤時間間違えた?
スケジュール帳を見ると決められた時間にきちんと来ている。
間違ってないのに。なんで。
「せっかくの休みだし、…さんに手紙書こう。今までお世話になったんだし。」
「正式には休みじゃないけどね。この後、練習室に行かないといけないじゃん。」
「…さん、元気かな〜」
「…さんの日本のご飯美味しかったよね。」
「ユウタ、大丈夫?」
母の名前だ…
韓国語も聞き取れるようになってる。
それにあの日本人の名前。
「…うん。大丈夫だよ。みんな、日本人のお手伝いさんいるの知ってる?」
「え?知らない。会ったことないよな。」
「お手伝いさん、みんなで3人じゃなかった?…さん以外で。」
「ナイショの4人目が居るんだよ。」
「ナイショ?」
「だってテヨンと俺以外みんな会ったことないだろ?俺とテヨンがなんであの子と出会えたか分かる?」
「もしかして若い子ですか?何歳なの?可愛い?」
「質問に答えてから教えてやる。」
「仕事が早めに終わったり仕事内容が急に変わったりすると時間がずれるからでしょ。お手伝いさんはみんな決められた時間に来るんだから。」
「そう!テヨン、正解。」
「…ってことは今日は急に仕事内容が変わった日。」
「さすがドンス。鋭い。」
「じゃあ今日はその子が来るってことですね!」
えっ!!
今日は帰ろう。
でも仕事はしなくちゃ。
だけど会ってはいけないと言われたし…
どうしよう…
「あなたは誰…ですか?」
とっさに後ろを向くと男の人が立っていた。
『ご、ごめんなさい…帰ります!』
「ちょっと待って。」
その人は私の腕を掴んだ。
吸い込まれそうな目に私は息を飲んだ。
「しー。ヒョン達に気づかれる。僕と君だけの秘密ね。僕はジェヒョン。君は?」
『私は…Aです。』
「Aちゃんか…その制服どこの?韓国人じゃなさそうだけど…」
『高校生…でした。私はここの家政婦をしています。』
「そっか。辞めちゃったんだね。じゃあヒョン達に気づかれないようにお手伝いさんのお仕事頑張って!」
初めて顔を合わせてしまった。
そして初めて見るキレイな顔だった。
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ぷぅ(プロフ) - ぱくつぃさん» ぱくつぃさん、コメントありがとうございます!亀更新ですが頑張ります! (2018年1月25日 1時) (レス) id: 15b7e385b8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱくつぃ - めっっっちゃおもろいです!!早く読みたいです!!更新お願いします!!! (2018年1月24日 17時) (レス) id: 9467b16ac1 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - あゆさん» あゆさん、ありがとうございます!これからも頑張ります! (2018年1月21日 17時) (レス) id: 15b7e385b8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - とてもおもしろいです!続き楽しみにしてます(*´˘`*) (2018年1月19日 19時) (レス) id: 3f60a908f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷぅ | 作成日時:2018年1月5日 21時