キミだけのお手伝いさん。

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【昨日のお手伝いさんへ。僕の部屋を掃除するのはゴミ箱だけで大丈夫です。他のものを動かさないでください。】



そっと昨日の部屋を開くと置き手紙があった。
韓国語だから翻訳機で頑張ってメモに書きながら日本語に訳した。




なるほど。そうやって書いてあるのか！
ゴミ箱だけね。分かった。









「ふぅ〜ん。韓国語出来ひんの？」




『わぁっ！！！！！』




「ごめんごめん！そんなに驚かすつもりじゃ…」


『あ…』


「あかん。こんな事してる場合やなかった！忘れ物取りに来たんやった。あれどこやったけ…」









その男の人が部屋から出て行こうとする時に何かに気付いたかのようにまたこっちを向いた。




「なんでそんなに顔隠すん？」


『え、いや…あの…』


「そういや新しいお手伝いさんだよね？…さんって辞めちゃったの？」







…さん

それは母の名前だった。








『私はその方の代理です。』


「そっか。俺より若そうやけど頑張って。もしメンバーの韓国語分からないのあったら言ってな。」









なんだ。日本人いるんだ。
って…



え、日本人？！




しかも母のことを知っている様子だった。
彼と母は親しい間柄なのかな。









仕事を終えてから借りている寮で久しぶりにテレビを見てみた。
やっぱり全部韓国語ばっかりで分からないな。
なんて言ってるのか知りたいからもっと頑張って勉強しなくちゃ。



これって音楽番組？
音楽番組なら言葉いらないから楽に見られる。








NCT…ふぅーん
全く分からない…
少女時代とかしか分からない。
小学生の時によく見てた覚えあるな〜


韓国のアイドルとか全く分からない。









でもみんな昨日見た人と同じくらい細くて顔小さい。
このテレビに出てる人達みたいだったな〜
韓国の野球選手ってアイドルみたいなんだ〜
韓国ってすごいな。





あの部屋で会った人と
忘れ物取りに来た日本人と
車の中から出てきた彼らを見たけど
顔は一切見てない。会ってはいけないから。
いや、もう会ってるようなものだけど顔を知られなければ大丈夫。







お母さんのために頑張らなきゃ。
明日も朝早くから忙しくなるな。

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