鬼殺隊なのに守られすぎてて辛いです。 (ページ18)

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十六ページ18

ちなみに、善逸くんは一緒に行く！！って言って一緒に来ようとしてくれたけど、お医者さんに、安静にしてくださいって怒られていた。。

「んん～ここの通りかな…？はぁ…全然見つからない……」

人が多すぎるし、道に迷うし、で、もうあたりは暗くなっている。

地図読むの苦手だし…

不安になってきたなぁ…

ﾄﾝﾄﾝ

「きゃぁっ、！？」

後ろから誰かに肩を叩かれてびっくりしてしまった。

振り返ると、白い服に白い帽子をかぶった赤い目の整った顔の男性が微笑みながら立っていた。

あまりに美しくて、瞬間、時が止まるような感覚に襲われた。

？「驚かせてしまってすみません。」

ｻﾞﾜｻﾞﾜ

男性の声にハッと我に返り、元の騒がしさが戻る。

「あ、い、いえ……えっ、と……？」

？「あぁ、なにかお困りのようだったのでお声をかけさせて頂きました。」

この人、ずっとニコニコしているけど何だか少し怖い。

「……ありがとうございます。」

？「なにかお探しですか？」

「あっ、はい…このお店を……」

地図を見せると、

？「……刀装具屋…」

そう呟いた時の男性は一瞬、微笑みをなくしたように見えた。

？「刀をお使いになられるのですか？」

でもまたすぐ元の微笑んだ顔に戻ってそう聞いてきた。

「あ、え、えと…」

鬼殺隊は政府が公認した組織ではないため、なんと答えたらいいのか戸惑っていると、

？「あぁ、難しい質問だったようですね。すみません。私は月彦と言います。あなたは？」

「あ、七々扇Aと申します！」

月「ではAさん、ご案内しますよ。その店に。」

「え！？ありがとうございます！！」

そう言って月彦さんは私を刀装具屋まで連れていってくれた。

「ここにあったんだ……本当にありがとうございました！」

月「いえ。それでは失礼しますね。」

そう言って、来た道を戻る月彦さん。

しかし振り返って私にこう言い放った。

月「鬼殺隊の仕事せいぜい頑張ってください」

「!?」

ゾッとするような微笑みだった。人を見下したような、嘲笑うような顔だった。

なんで鬼殺隊を知っているの……

「な、なぜあなたが鬼殺隊のことを…！！」

聞こうとした時にはもう既に彼の姿はなかった。

「フッ…面白い女だ…実に誠実で美しい。灰汁(アク)がない。

壊してしまいたくなる。」

私は、あの男性こそが鬼舞辻無惨であるとは、全く思ってもみなかった。