貴方に恋文かいてみました。【文スト短編集】

乱歩さんに渡してみた ページ5

「やだ。」








「だーめ、無駄な抵抗をしても何があるかは分かるんだよ？」







「で、でも…」









「ほら、早く見せて！！！








…恋文。」









＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊






遡ること30分前






デパートに出掛けた時、可愛い便箋が売っていた
主張しすぎず、かといってシンプルすぎず、猫のついた便箋







「わ、この猫乱歩さんみたい」







端っこにいる猫が乱歩さんにしか見えなくて思わず買ってしまったのだで、まぁその便箋を使わないのも勿体無いから渡す予定のない恋文をかいたのだけど








「なにそれ〜僕宛かな〜？」








厄介な名探偵に見つかった、そして冒頭へ戻る。









「だから、嫌！！」









このやり取りも８回目







「人に言えないような内容のモノを書いたって事？」







「ッ....」







図星だ...恋文なんて人に言えないようなモノだよ←








だって冒頭から、なんで最近構ってくれないんですか(重たいこと)って書いてるしなぁ...








なんかストーカ染みてるから見せたくないし...







「ストーカ染みてるの何が悪い」







「へ....？」







「僕達付き合ってるんでしょ？





なら、知りたいと思うのは普通で、重たいことだって言っても構わないんじゃないの？」








「なんで知って...」









恋文は手元にあるのに、どうして解るの？スゴいよ、乱歩さん









「Aの事だから判るよ






恋文は見せなくていい、その代わり恋文に書いてる僕への質問とか愚痴全部言って」








「乱歩さん....」








ぎゅ、と手元にある恋文を握る








中身は「好きな食べ物は？」とか「散歩はすきですか？」とか「私ばっかり好きなの嫌」etc









「...どうぞ」








内容バレてるなら渡しちゃった方が早いよね、少し皺になった恋文を乱歩さんの胸に押し付け逃げる








「待って！」







「は、はい」








「ちゃんと、好きだから」









いきなり笑顔で「明日出掛けよう」といわれて胸が高鳴る








「は、はい！」







読むの早いなぁ、まだ１秒しかたってなかったのに....笑









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「どーせ、また僕との話がみたいんでしょ？一番近い最善策は…評価することだね」

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