ぜーんぶ嘘だよ。【赤葦京治】［完結］

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暫しの沈黙が続いた








今まではそれが心地よかったりしたのに状況が違えばこんなに苦しいのか









「ごめん」









最初に沈黙を破ったのは京治








多分、耐えられなかったんだろう、申し訳なくなる









「ははっ、謝らないでよ




私、自爆してるだけなのに。」








自分でも判る位ひきつった笑顔を作り目の奥がジン、と痛い







｢…でも、俺気づかなくて｣









｢気づかなくて当然なの！気づかれないようにしてたんだから。




京治は何も悪くない｣







掠れた声で言うとまた、笑顔を作る
頬が痛い、視界がうるっと緩んでくる









｢でも、私を落としちゃう京治は罪な奴だねぇ｣









｢…｣








黙り込んで下を向く京治








これで最後だから、最後に自惚れさせて









もう困らせたりなんかしないからさ









｢抱き締めて｣









涙を流しながら京治におねだりする







こんなのずるいって判ってるよ









でも京治は優しいから、私を傷つけないようにそっと抱き締めてくれる









胸に顔を埋め、腰に手を回しきつく力をいれる








これで、最後だから。ちゃんといわせて









｢赤葦京治、貴方が好きです｣








そっと耳元で呟いた









返事は判ってるよ、









｢ごめん、｣





本日三回目の｢ごめん｣にきゅう、と胸が締め付けられる







これで京治とは今まで道理の関係には戻れない









嗚呼、さよなら私の片思い






自然と目から雫が溢れて京治の服に落ちる







離れなきゃ、京治に回してる手を離そうとした刹那









｢でも、ありがとう
その、泣く位想ってくれて。





………嬉しかった｣








こんなフった相手に優しい事いう馬鹿がいるから、









｢ぅぁ…う、自惚れんなぁ……！ばかぁ…｣







優しさに包まれて涙が止まらくなる









この日、一日中京治の胸を借りて泣いた







落ち着くまで傍に居てくれて







｢今日の事ぜーんぶ嘘だからね、｣









結果、大好きな彼を諦める事ができた。




これからは二人を応援しようと思う









本当、全部嘘だよ？信じてないでしょ








全部嘘っていうのも、諦めたっていうのも







ぜーんぶ嘘。

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