地の約束 (ページ21)

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往生堂に戻ってやっと落ち着ける

まさかこんな生活を送れるなんて

『これは鍾離殿に感謝せねばな』

鍾「それは本人に言ってほしいな」

『今聞いていたでしょう？もう感謝しましたよ』

鍾「ふっ、調子が戻って来たようだな、よかった」

『…鍾離殿、吾輩今とても幸せです。幸せすぎて死んでしまいそう』

鍾「死んでしまっては困るな」

『そのぐらい嬉しいということですよ』

手に一輪の瑠璃百合を咲かせる

芽が出て、蕾ができ、花を咲かせた

はらりはらりと、花弁が落ちる

『死、か。神であった吾輩には無縁のものだったものが今はすぐ隣にいる。この瑠璃百合のように吾輩もいずれ散りゆくのか』

鍾「それが凡人というものだ。儚く散るは美しい。人も動物も花も全ていずれはその命を天に帰す。それもまた美しい人生というものではないか」

『美しく、ね。吾輩に美しいなどという言葉は似合わないでしょう』

鍾「俺はお前のことをとても美しいと思っている。そう、この瑠璃百合よようにな。今まで言えなかった分はこれからたくさん言おう。お前は俺にとって美しく愛しい存在だ」

『そんな風に思われていたとは。吾輩は幸せ者ですね』

Aの顔は今までで1番綺麗だった

新しい瑠璃百合が咲き誇ったように